2017/03/28
2017年3月28日(火)
先日,結婚式で隣の若い女性と男性が聖歌集を手に「懐かしいなぁ」と顔を見合わせていた。聞くと京都のカトリック校の卒業生だ。そして,ミサ中聖歌を一緒に歌ってくれた。カトリック校の卒業生なら必ず耳に残っている聖歌がいくつかある。カトリック校での生活を思い出す歌なのだろう。
1 天(あめ)のきさき 天(てん)の門 うみの星と 輝きます
※アヴェ アヴェ アヴェ マリア アヴェ アヴェ アヴェ マリア
2 百合の花と 気高くも 咲き出にし 聖きマリア
※の繰り返し
3 奇(くす)しきばら 芳わしく 恵みたもう 愛のみ母
※の繰り返し
4 病める人に 慰めを 恵みたまえ 愛のみ母
※の繰り返し
5 行く手 示す あけの星 導きませ み母マリア
※の繰り返し
6 神のみはは わが望み 今もいつも 守り給え
※の繰り返し
Ave Mariaの直訳「こんにちは、マリア」または「おめでとう、マリア」
六番までうたった経験は少ないと思うが,メロディーや歌詞の一部は,記憶の中に含まれていると思う。その代表が(仏語 AVE MARIA DE LOURDES / 英語 IMMACULATE MARY)日本の聖歌集では「あめのきさき」ではないだろうか。
研修旅行でルルドを訪問した生徒の多くが,夜のローソク行列のトーチ役・行列の先導役・アヴェ・マリアの祈りの先唱・そしてこの「あめのきさき」を率先して歌うことを申し出てくれる。普段の生活からは想像できない宗教的な営みへの積極的かかわりは,目を見張るものがある。ロザリオ大聖堂のファサードに立ち,世界各国から来た巡礼者と共に,本校の生徒が堂々と祈りに取り組む姿は感動的であり,不思議な力の存在を感じる。
リヨンの街から研修旅行は始まり,創立者の生まれ育ったモンプザ,修道院のあるチュエイそしてアヴィニョンを経由して,ルルドに立ち寄り花の都パリで研修の行程は終了する。旅行が終わってどこが印象的だったと聞くと,皆が「ルルド」と答えるのが不思議だ。パリもよかったでしょと聞くと,「きれいで美しいけど心に残らない」と即座に返答してくる。
特別観光する建物もないルルドの街だが,世界各国から祈りの為に人々が集まる姿や行動が,生徒たちに何かを残しているのだろう。教室では教えきれないもの,教科書にはない心への影響力が青少年の成長過程にはなくてはならないものなのだろう。それは深い心理への入り口ではないだろうか。
『もっとも深い真理は、ただもっとも深い愛のみにひらく。』
Christian Johann Heinrich Heine
ドイツの詩人、作家、ジャーナリスト。抒情詩を初め、多くの旅行体験をもとにした紀行や文学評論、批評精神に裏打ちされた風刺詩や時事詩を発表。
誕生: 1797年12月13日
帰天: 1856年2月17日(享年58歳)
学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫