2017/04/04
2017年4月4日（火）
青空・笑顔・桜は，入学式にふさわしいSITUATIONだ。今年の入学式は，この三点がそろうと期待しているが，校内の桜開花宣言(2017年3月30日)をした翌日に、雨が降り始めた。入学式に満開になってほしいと願う気持ちをよそに・・・・・
卒業式の後，生徒たちとの別れの余韻が残る中，先生がたは新年度の準備に余念がない。資料の作成と整理
新入生のための諸準備等々，職員室は活気と喧騒が入り混じっている。こんな様子を何十年と見てきたが，仕事をしている人，皆が生き生きとしていていい雰囲気だと感じる。窓の外に目を移すと，グランドでは新年度に向けて新人戦が行われていて，職員室だけでなく校内全体が，新しく始まる「時」の為の準備に余念がない。
校風は，このような時を経験しながら，引き継がれ育てられるのだろう。そして校風を引き継いでいこうとする言葉が卒業式の「答辞」ではないだろうか。
良き日，４６期生２４０名が校風と共に去り，在校生に引き継いで欲しいと願う校風を伝えてくれた。
(略) 賢明学院での思い出は数えきれないほどあります。中でも印象深いもののひとつである体育大会では、毎年良い結果をめざし、練習や本番での競技、応援などを全て一生懸命取り組みクラスが一つになっていることを実感しました。 (略) 集団行動は、毎年先輩方の発表を見ていると自分たちにできるのかと不安でしたが、想像以上に難しくて汗をかき、苦心して何度も練習したおかげで演技終了後は達成感と充実感でいっぱいになりました。そして、最も思い出深い行事は二年生のフランス研修旅行です。十日間という長い時間を友達と過ごすのは未知の世界でした。 (略) 中でも特に感動したこと、それはルルドで参加したローソク行列です。聖母マリアが出現されたと言われているルルドはカトリックの巡礼地であり、年間600万人の人々が訪れるそうです。秋なのに、夜凍えるほど寒い中、世界中から人が集まります。病に苦しむ人、またそうでない人も厳粛な気持ちで奇跡を願いローソクを掲げ、各国の言葉で「あめのきさき」を歌い祈りながら列をなすのです。国籍・言語の違いを超えて心が一つになったと感じ、思わず涙が出たほど一生忘れられない思い出となりました。賢明学院でのカトリックの教えを受けてきた事、学んできた事がハッとわかった瞬間でした。(略) 高校三年間の間に世界や日本に於いて数々の自然災害、テロ、内戦という悲しい出来事で被害に遭われた方々を心配すると同時に、今私たちが平和な生活を送れている事がどれだけありがたいことなのか、今ある命を大切に生きなければならないと強く感じ、「祈りと感謝」「私たちにできる良いことを全て果たしなさい」というマリー・リヴィエの言葉が自分の中で理解できたように思います。(略) 沢山のことで悩み、焦り、不安を抱いた時に、いつも助けてくれたのは友でした。自分の気持ちがどん底だった時も「一緒に頑張ろう」と声をかけてくれ、心が楽になり自分だけじゃないんだ、みんな同じ気持ちなんだと思わせてくれました。(略) 私にとって、学校で友達と一緒に過ごすことがどれだけ大きいものであるかという事を感じました。こんなかけがえのない友達と、学校生活を送ってこられたことは一生の思い出です。心豊かな学院生活を送ることができたのは、カトリックの教えに基づいた隣人愛や、奉仕する心、思いやりのある心を、私たちに時にやさしく時に厳しくお伝えくださったおかげなのだと思います。(略) 今日までの三年間、または六年間、私たちを支えてくださったお父様、お母様、今まで本当にありがとうございました。毎日私たちより早く起き、お弁当を作ってくれ、いつも送り出してくれました。意見が合わないこともたくさんあったけどいつも一番心配してくれて、一番応援してくれていた事、私が一番わかっています。本当にありがとう。(略) みんなと過ごしてきた時間は、私にとってかけがえのない一生の宝物となりました。(略)
巣立っていく姿を見送るのは，うれしくもあり別れの悲しさもある。
別れのたびに，校風は生徒によって育てられ，熟成していくのだろう。
未知の世界へ向かう卒業生へ
『生きるうえで最も偉大な栄光は、決して転ばないことにあるのではない。
転ぶたびに起き上がり続けることにある。』
The greatest glory in living lies not in never falling, but in rising every time we fall.
Nelson Mandela ネルソン・マンデラ
南アフリカ共和国の政治家、弁護士。ノーベル平和賞受賞者。
国 : 南アフリカ共和国
誕生 : 1918年7月18日
帰天 : 2013年12月5日（享年95歳）
学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫
