2017/04/05
2017年4月5日(水)
はんなりは「明るく上品ではなやかなさま」という意味である。
語源についてはいくつかの説があるが,「華(はな)」は「はなやか」や「あでやか」という意味を持っている言葉で,上品で落ち着きがあり,明るさ,華やかさ,陽気さを表す京ことばである。
花咲く四月の賢明学院は「はんなり」とした月でありたい。
新入生を迎える入園式・入学式が,幼稚園・小学校・中学校・高等学校で挙行される。新入園児や新入生は,期待と希望と夢と,そして少し不安な気持ちを併せ持って,この日を迎えるのであろう。在校生にとっては,進級して少し大人びた気持ちになって迎える式となる。桜の花は咲き誇り,学院横の公園では,歓迎の意を少し控えめに表すように,雪柳と桜の花が咲き,優しい色合わせで新入生たちを迎えている。
この時期は,期の変わり目として,華なりと本学院の原点を再確認する時でもあると思う。
「祈れ・学べ・奉仕せよ」と子どもたちに生きる道を校訓として諭す。新入生は,賢明学院をもう一つの家として,健やかに元気に育ってほしい。多くの友と出会ってほしい。自分らしさを忘れないでほしい。愛されていることを実感してほしい。学ぶことに楽しさと興味を持ってほしい。自律心を身に着けてほしい。等々・・・・・。 私の期待と望みはもはや欲のように膨らみ,とどまることを知らない。
賢明学院の生活では,自身をさらに伸ばすことの積み重ねを日々行いながら,自分を大切に成長してほしい。
朝の空を見上げて 今日という一日が 笑顔でいられるように そっとお願いした
時には雨も降って 涙も溢れるけど 思い通りにならない日は 明日 頑張ろう
人生は紙飛行機 願い乗せて飛んで行くよ 風の中を力の限り
ただ進むだけ その距離を競うより どう飛んだか どこを飛んだのか
それが一番大切なんだ さあ 心のままに 365日
「365日の紙飛行機」作詞 秋元 康さんの詩より
別れのたびに,校風は生徒によって育てられ,熟成していくのだろう。
一人ひとりが「らしさ」を大切にして,大切にしている「らしさ」を忘れないでほしい。「青色は青光を放つ,黄色は黄光を放つ,赤色は赤光を放つ,白色は白光を放つ」どれも美を構成するには,なくてはならない要素だ。そして浄土にも様々な色の蓮華が咲き乱れているようだが,そこではそれぞれがそれぞれの個性に無上の尊厳性を認め合い存在している。
この道より,我を生かす道はなし,この道を行く。 君は君,我は我也,されど仲よき。
武者小路実篤の言葉
誕生:1855年5月12日
帰天:1976年4月9日
小説家・詩人・劇作家・画家
1910年に友人の志賀直哉らと文学雑誌『白樺』を創刊。小説「おめでたき人」「友情」「愛と死」「真理先生」などをの代表作に加え、多くの人生論も残している。1918年には、理想的な調和社会、階級闘争のない世界という理想郷の実現をめざして、宮崎県木城村に「新しき村」を建設した。
学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫