優しい心を育むカトリック教育

2017/06/19

さわやか

 

2017年6月19日 (鳴雷月

 

今日も暑くなりそうな気配を感じながら,上野芝の駅から閑静な住宅街の道を歩く。通称クランクと呼ばれる交通量が多い曲がり角に差しかかった。ここは園児・児童・生徒の通学路で,自動車の往来が三方向からこの一点に集中するが,地域のみなさんの気遣いのおかげで今まで事故は起こっていない。しかし,万が一と言うことはある。毎月一週間,通学安全指導が奉献会によって実施されている。寒い日も暑い日も,通学安全指導に関わって下さっている保護者からの指摘のあったこの場所だ。

 

佇んで状況を観察しながら,通学路を変えるべきなのか,それとも先生方に安全指導として,通学時間に見守り活動をしてもらうべきなのかとしばし思案していると,「おはようございます」とさわやかな声がした。素敵な女性が三メートルほど前から,ほほ笑んで挨拶してくださった。髪の毛はストレートで肩のあたりまであり,何よりも笑顔が素敵だ。そして,とっさに服装や持ち物からこの人は学生だと判断し「行ってらっしゃい」と私は微笑みと挨拶を返した。歩数にして二,三歩の間,二人の距離が縮まったほんの僅かの時間に,この目元は記憶にある,この口元も見たことがある,この額もそうだ,やっぱりそうだ,このさわやかさは,うちの卒業生だとわかった。

 

こんな素敵な女性に成長しているんだ。やはり賢明は,素晴らしいと確信した。

 

すれ違った後,朝からの蒸し暑さも気にならず,なんだかウキウキし,気持ちよく歩けた。挨拶って不思議な力を持っている。そして笑顔は,人を元気づける力を持っている。「賢明の子ってやっぱりいいよな。」と心の中で呟き,出会った卒業生のさわやかさに満足しながら,上野芝駅から学院まで歩いた一日の始まりだった。

 

虹

 

You’ll never find a rainbow if you’re looking down.

『下を向いていたら、虹を見つけることは出来ないよ。』

 

Charlie Chaplin (チャップリン)

生誕 1889 416

帰天 19771225

笑いの力で反戦を訴えた“喜劇王”

 

戦争反対を映画という立場から全世界に訴えた人物として、私は尊敬して

いる。「独裁者」のラストシーンでの主人公のスピーチは彼自身が書いた

ものだ。彼の思想を次号で紹介したい。

 

学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫