2017/11/13
2018年は創立者が誕生して250年を迎える。
マリー・リヴィエの誕生日は,賢明学院誕生のルーツが,産声を上げた日でもある。
福者マリー・リヴィエは,1768年にフランスの小さな山村モンプザの熱心なカトリック信者の家庭に生まれた。 彼女は幼児期に起こった転落事故のため,歩く事ができなくなった。 信仰深い母は,毎日この子を近くの小聖堂の,ピエタ像のもとへ連れて行った。 マリー・リヴィエは,ピエタ像の足元で毎日,聖母マリアとの語らいを続けていた。幼い少女は,十字架から降ろされたイエスを抱いているマリア様を見て,何を思い,何を話しかけたのだろうか。
聖母の足元で受けたこの 「祈りの心」 が,聖母奉献修道会の霊性となっている。 苦しみのどん底で培われた彼女の信仰は,人々への愛のために十字架上で死に,聖母マリアの腕の中に横たわるイエス・キリストを見て, 「すべての人にイエス・キリストを知らせ, 愛させたい」という,強靭な決意へと結び付いていった。彼女のこの決意は,フランス革命のために荒廃した社会にあって,見捨てられた青少年の宗教教育に対しての熱意となり,フランス革命のさなか,南仏のチュエイ村で4人の同志と共に聖母奉献修道会を創立する形となって実現された。それは,1796年11月21日, 聖マリアの奉献の祝日に行われ,彼女が28歳の時であった。
その後彼女の熱意は,炎となって世界の19ヶ国に広がり,聖母奉献会の会員たちは今もなお,創立者に倣ってキリスト教教育と貧しい人々への愛に生きようと,世界各国で活躍している。
日本には1948年6月に4人,そして11月には5人の修道女がカナダから来日し,1951年には姫路に賢明女子学院を,1952年には大阪にアベノカトリック幼稚園を創設した。また1954年に堺市霞ヶ丘に幼稚園を開設し,1959年に賢明学院小学校へと発展した。 いずれも学校の名称は,「賢慮と聡明」を身につけた 「いとも賢明なる聖マリア」 の生き方を,生徒たちの鑑として『賢明』と命名された。 現在,聖母奉献会の本部は姫路市仁豊野にある。
東京では豊島区に「養成の家」を置き,ベトナムからの若い志願者を迎えて,教育事業の他に小教区において信徒と協働しながら,司牧活動や滞日・在日移住者のために奉仕活動を行っている。これと並行してイエス・キリストを知らせる歩みも続け,国際修道会として,喜びと感謝のうちに未来の日本と世界の教会のために,後継者を育てようと励んでいる。
賢明学院創立者 Marie Rivier マリー・リヴィエ
修道者名 : アンヌ・マリー
誕 生 : 1768年12月19日
帰 天 : 1838年 2月 3日
修道会創立 : 1796年11月21日
福者列福 : 1982年 5月23日
現在の本部 : イタリア ローマ市カステルガンドルフォ
修道会会員が派遣されている国:19か国
姉妹校がある国:16か国
フランス,スペイン,ポルトガル,スイス,カナダ,アメリカ,
フィリピン,ペルー,ブラジル,モザンビーク,カメルーン,セネガル,ブルキナファソ,ガンビア,ガーナー,日本(姫路市)
学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫