優しい心を育むカトリック教育

2019/10/28

オリンピック開催に関係して祝日の移動があるので,2020年の行事のプランを練るために,今年と来年のカレンダーを見比べてみた。すると今年しかない国民の祝日が,改めて目に留まった。自分の学生時代にはなかった祝日休日が増え,学校に届く書類には,「今年は、天皇陛下が御退位されるとともに、新天皇陛下が御即位され、新たな元号に変わる特別な年に当たります。御即位に際し、国民こぞって祝意を示すため、「天皇の即位の日」の51日と、「即位礼正殿の儀の行われる日」の1022日が、今年に限り「国民の祝日」となります。」と記載されていた。

 

週五日制になり授業日が減り,休日が増え尚且つ今年限定と言う祝日も増えた。休日が増えても,労働時間は欧米より,まだまだ長いそうだ。子どもたちにとっては,夏休みが短くなり授業日数を確保されているが,学んでいる生徒や学生にとって,これは良い学習環境になっているのだろうか。

 

時代の変遷を人生経験から物事をよく知っているべき年令に達し,昭和・平成・令和の三時代を生きて来た私は,長生きしていると言えるのだろうか。人生100歳時代になり,多くの人たちが,次の元号の時代も生きていく事になるのだろうか。そんなことを何気なく,つい連想してしまうのが「時代」という言葉だ。

 

京都に住んでいれば,京都三大祭りの一つ時代祭は欠かせないお祭りだが,今年は1022日から26日に変更して開催される。毎年の開催日が「即位礼正殿の儀の行われる日」と重なるので,時代祭の開催日が移動されたのだ。平安遷都1100年を記念して明治281895)年に始まった平安神宮のお祭りは,明治維新の時代から平安京の造営された延暦時代までを,時代時代のスタイルに扮した約2,000人の市民が,京都の町を練り歩く,市民参加型の祭りだ。今でこそ当たり前になったが,明治時代から市民参加型を実行している京都人は,なかなかおしゃれだと思う。

 

 

この祭りの始まりは,京都に活気を取り戻すことが目的で始まった。東京遷都は,京都人にとっては何とも悲しく寂しい時代の変化だったのだろう。明治281895)年,第4回内国勧業博覧会が京都で開催され。平安神宮が創祀された岡崎一帯を会場に,多くのパビリオンが建てられ,博覧会は大成功したと記録されている。同年秋に,平安遷都から1100年の紀念祭と式典が開催され,最終日に時代風俗行列が行われた。これが現在の時代祭の始まりとなる。時代の一大絵巻が繰り広げられ,維新勤王隊から延暦時代までの1000年を,桂小五郎、西郷隆盛、織田信長といった歴史の教科書に登場する人物などに扮し,馬や牛車に乗った約2,000人の市民による時代風俗行列だ。

 

学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫