賢明学院について

理事長あいさつ
理事長

地の塩・世の光

マリー・リヴィエはフランス革命のさなか1796年に「聖母奉献修道会」を創設しました。革命によって社会が荒廃し、教育を受ける機会を奪われた多くの子どもたちの状況に心を痛め、未来を担う子どもたちのために教育修道会を創設したのです。「一人の子どもの魂を育むことは、一つの世界を治めることに匹敵します。神の目、心の目で見れば、一人の子どもの魂はこの宇宙よりも重い存在です。」というマリー・リヴィエの言葉から子どもたちへの愛や教育への熱意が読み取れます。そしてその愛の炎は、フランスだけに留まらず世界中に飛び火して行ったのです。
1948年、当時の大阪教区長 田口芳五郎司教の招聘に応えた聖母奉献会のシスターたちが大阪の地に派遣され、1954年に堺市での教育活動が始められました。賢明学院はマリー・リヴィエの精神を受け継ぎながら、子どもたちとともに未来を拓いて行くのです。

あなたがたは地の塩、世の光である。あなたがたの光を人びとの前に輝かしなさい。 (マタイ5章13・14・16節)

現在、私たちは比較の世界・競争の世界・優劣をつける世界に生きています。人と自分を比べることによって劣等感に苛まれたり、優越感に浸ったりするのです。残念なことです。上記の聖書の言葉は、イエスが当時の人びとに語りかけた言葉です。努力することによって地の塩、世の光となりなさいと言っているのではありません。もうすでに、あなたたちは無条件に大切な地の塩であり、かけがえのない世の光なのだと言うのです。
皆さんもこの言葉を私たちへのエールとして受け止め、自己を肯定して他者を尊び、勇気と謙遜を身に纏い、ともに賢明の道を歩んで行きましょう。

理事長 髙畠 政行