優しい心を育むカトリック教育

2017/12/13

サンタクロース Christmas version Ⅳ

Christmasと言えばサンタクロース!! 赤い服に帽子,白いひげを生やし,トナカイが引くそりに乗ってChristmasPresentを届ける姿は,サンタクロースに対する全世界共通のイメージです。商店街のアーケードには,クリスマスリースやツリーが飾り付けられ,トナカイが引くそりに乗ったサンタクロースのイルミネーションが,Christmasを演出しています。ケーキ屋さんの店員は,サンタクロースの衣装を身に着け,販売ノルマを達成しようと,盛んに街行く人にクリスマスケーキの購入を呼び掛けます。周りには,ジングルベルやアカ鼻のトナカイの曲が流れ,みんなをウキウキした気分にさせています。みんなが楽しくなるChristmasは,救い主が私たちの所に来てくださったことを、喜びと感じるときとなります。

 

そして,「希望」,「平和」,「喜び」,「愛」を,日々の生活の中に確認するときでもあるので,私の持っている物を分け合って,世界中のみんなで救い主が来てくださることを,喜びとできるようにしたい。平和は,私の中にあるだけなのではなく,私とあなたの間にあるので,独り占めにしてケーキを食べるより,クッキーを独り占めするよりなんでも半分こして,みんなで食べたほうがおいしく感じるという実感を持ちたいと思います。

 

Christmas Cake「おいしいね」とみんなの笑顔があふれる方が,いいですよね。

 

「あなたがたに新しい掟を与えましょう。あなたがたは互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように,そのように,あなたがたも互いに愛し合いなさい。」(ヨハネ13:34)

 

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サンタクロース

実在の人物です。モデルは,34世紀にリキュア(現トルコ)のミュラの司教だった聖ニコラウスです。ニコラウスは慈悲深く,多くの貧しい人を助けたと伝えられています。ある日,聖ニコラウスは貧しい3人の娘が住む家の暖炉にこっそりと金貨を投げ込んで,幸せな結婚をさせたという話が特に有名です。サンタクロースが,煙突から入って暖炉のそばの靴下にプレゼントを入れるという言い伝えは,ここから生まれたようです。ニコラウスの伝説は各国に広がり3人の娘の話がもとになって,ニコラウスの祝日である126日に,子どもに贈り物をする習慣が生まれました。ドイツ,オランダ,スイスを始めドイツ語圏の国々では,子どもたちへのプレゼントは,いまでもクリスマス・イブではなく、126日です。ヨーロッパの国たとえばイタリアには,サンタクロースの習慣はありません。イタリアでは,プレゼントをもらうのは羊飼いが幼子イエスをあがめにやってきたとされるキリスト公現祭の16日。贈り物を持ってくるのは,ほうきにまたがったべファーナという名の老婆です。

 

Santa Clausの語源は,現在のトルコの司教だったSaint Nicholas (聖ニコラス[270年生まれ-343126日没]) です。Saint Nicholasがなまってオランダ語でSante Klaasになり英語に入りSanta Clausになりました。

 

サンタの装束は悪魔の衣装

サンタクロースといえば,赤いとんがり帽子に赤い服という派手ないでたちをした白いひげのおじいさんとして親しまれています。しかし赤いとんがり帽子を始め,まっ赤な姿は昔から悪魔のイメージとして民衆に定着していました。ニコラウス司教の肖像画は,ミトラと呼ばれる司教冠(教皇がミサなどのときにかぶる丈の長い帽子)とミサで着る祭服姿です。

 

ではなぜ,ニコラウスがモデルのサンタクロースが,赤づくめの悪魔の姿になってしまったのでしょうか。

 

聖ニコラウスの日には,ミトラに祭服という司教の扮装をしたニコラウス役の男性と,赤い装束に身を包んだ悪魔役の若者が一組になって家々を回ります。二人とも大きな袋を担いでいます。ニコラウス役はプレゼント入り。悪魔役はカラ袋です。良い子には,ニコラウスが自分の袋からプレゼントを出して与えますが,悪い子には、悪魔がカラの袋に放り込んで地獄へ連れて行くと脅します。来年は,きっと両親の言いつけを守ってよい子になると約束し,贈り物をもらって,めでたしめでたしということになります。

 

アメリカにサンタクロースの習慣が入ったとき,まずカトリックの司教の衣装がなくなり,かわりに悪魔の赤い装束がサンタクロースの衣装に変わったようです。アメリカ社会では,ヨーロッパの悪魔の古いイメージはなかったのでしょう。

羊飼いたちは、見聞きしたことがすべて天使の話したとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。

 

サンタクロースはあの赤い服のルーツは20世紀アメリカです。1931年以降コカ・コーラ社の広告アートを担当していたスウェーデン系アメリカ人、ハッドン・サンドブロムによって描かれた等身大の人間味あふれるキャラクターがモデルになり,後にサンタクロースの服装に定着しました。

 

学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫