優しい心を育むカトリック教育

2018/04/09

ことし 「助走の時」

来年,賢明学院は創立65周年を迎えます。今一度,私たちは原点に立ち返り,胸を張って創立65周年を迎えようと決意を新たにしています。

 

 

社会的に評価が高い賢明学院に学ぶ者の学力の向上,つまり神が,その人に与えた能力を活かすように手助けすることは,福音的な仕事であり,それが学院の使命と考えています。賢明学院が大切にしている事は,学力向上をはかる目的です。これは何のために,学力向上を求めるのかという事です。学院において,目的の判断基準として福音的価値観を重要視し,すべての判断基準としています。あらゆる教科指導・生活指導・学級経営の中で,キリスト教的価値観や宗教的情操を育てていく事が,必要不可欠な私たちの責務です。

 

進学・偏差値・受験戦争・価値の多様化に起因する拝金主義等の現実の中で,問題はその競争の背後にある人生観・価値観です。もしそれが,ひたすら物的向上を求めるだけのもので終わるならば,それは人間の一生は神に向かう旅であり,神の中に人生の究極の完成があるという,カトリックの世界観からは肯定できない事です。また,他を顧みる余裕のないものであるならば,それは「私があなたがた愛したように,あなたがたも互いに愛しあいなさい」というキリストのメッセージとは,相容れないものです。さらに,競争に勝ち抜く事だけが人生の唯一の目標であるかのように思い,人間の評価がそれで決まると思い込んだものであるならば,それは「たとえ全世界を手に入れても魂を失うのならば,なんの益になろう」という,キリストの価値観とは相反するものです。福音に基づいた総合的な価値観・世界観を,園児・児童・生徒に伝えていく事は無論のこと,保護者や社会に訴えていく事が,賢明学院の使命と認識しています。現代社会における教育活動においても,愛に勝るものはありません。

 

そこで,わたしはあなたがたに最高の道を教えます。たとえ,人々の異言,天使たちの異言を語ろうとも,愛がなければ,わたしは騒がしいどら,やかましいシンバル。

 

たとえ,預言する賜物を持ち,あらゆる神秘とあらゆる知識に通じていようとも,たとえ,山を動かすほどの完全な信仰を持っていようとも,愛がなければ,無に等しい。

 

全財産を貧しい人々のために使い尽くそうとも,誇ろうとしてわが身を死に引き渡そうとも、

 

愛がなければ,わたしには何の益もない。

愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。

愛は自慢せず,高ぶらない。

 

礼を失せず,自分の利益を求めず,いらだたず,恨みを抱かない。不義を喜ばず,真実を喜ぶ。

 

すべてを忍び,すべてを信じ,すべてを望み,すべてに耐える。愛は決して滅びない。

 

(コリントの信徒への手紙1 12章31節~13章8節)

 

 

2018年

 発足年  内  容  周年
1768.12.19 マリー・リヴィエ生誕,受洗 250周年
1838. 2.3 マリー・リヴィエ帰天 180周年
1948. 6.26 カナダアメリカ宣教姉妹会来日 70周年
1948.11.21 聖母奉献修道会日本地区創立 70周年
1978. 9 同窓会リヴィエ会設立 40周年
1983. 5 おつけ物デー発足 35周年

 


学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫