優しい心を育むカトリック教育

2018/04/27

どうぞ!

賢明の児童は,挨拶がとてもよくできる。

 

 

『立ち止まる・挨拶する・微笑む』 この伝統は,過去から現在,そして未来へと,児童を通して脈々と引き継がれている。微笑みに勝る人間関係は,存在しないだろう。微笑みに包まれて,怒る人はいない。幼子が母の腕に抱かれ,安心して微笑む姿を見て,癒されない人はいない。賢明の全ての子どもたちが,微笑みを忘れない人になって欲しい。その願いを持って,始業式で児童たちに話をした。

 

「みんなが幸せになる方法を,今日はお話したいと思います。入り口で友達とぶつかりそうになったら,みなさんはどうしますか?」 『お先に,どうぞ』と言います。 『ゆずります』 私の質問にしっかりとした返事が,低学年から帰ってきた。上級生はその答えを聞いて,頷いている。

 

「では,今週はこれを実践してください。『お先にどうぞ』『ありがとう』の実践です。そうすれば学校中が微笑みでいっぱいになります」 さて,校長の話をどこまで実践し,そしてそれを持続してくれるだろうかと,期待と不安に駆られながら,新学期早々の教室を回っていると,「お先にどうぞ」と言う声が聞こえた。内心小躍りしながら教室を覗いてみると,ロッカーに荷物を取りに行った子どもたちが,上下の位置関係にあって,下の段の子が上の段の子に先を譲っていた。譲ってもらった子の顔には笑みがあり,譲った子の顔も微笑みにあふれていた。この光景を見て,間違いなく微笑みの賢明学院になっていくと確信する事ができた。

 

学校を変えるのは,一人ひとりの子どもの力だ。優しい言葉は,たとえ短く簡単であっても,いつまでも相手の心にこだまし,微笑みをもたらすようになる。にっこり微笑むだけで,みんながどんなに幸せな気持ちになれるかに子どもたちが気付き,そこから自然に生まれてくる繋がりと連鎖の微笑みが,大きな善いことになっていくと感じられた。

 

マザー・テレサの言葉

思考に気をつけなさい,それはいつか言葉になるから。

言葉に気をつけなさい,それはいつか行動になるから。

行動に気をつけなさい,それはいつか習慣になるから。

習慣に気をつけなさい,それはいつか性格になるから。

性格に気をつけなさい,それはいつか運命になるから。

 

性格は,直せないかもしれない。でも微笑みがあれば・・・・・変わるのではないかと思う。いやいやもともとみんな微笑みを持っていたはずだ。今だけ忘れているのだ。微笑みを思い出せばいいのだ。運動場を駆け回る子どもたちの顔は,いつも笑顔だ。お仕事が出来た時の園児は笑顔で先生を見つめている。

お母さんのお迎えの時,この上ない幸せの微笑みが園児を包み,安心した微笑みが母を見つめている。

 

学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫