優しい心を育むカトリック教育

2018/05/15

世界中で知られている女性 ―Maria様ってどんな人―

賢明学院の園児・児童・生徒,そして教職員の誰しもが知っている女性の名前は,聖母マリアとわが賢明学院の創立者,マリー・リヴィエの二人の名前である。

 

創立者もマリア様の名前を頂いて,修道名をMaryと名乗っている。さて,マリア様って,どんな人なのだろうか。世間にはマリア様を描いた絵画は,数えきれないほどある。日本風に描かれたマリア様の絵は,玉造教会にもある。そして,各国の多くの御絵(ごえい)にもなっている。全世界には,その国らしく描かれたマリア様の絵がある。マリア様は,全世界の人に親しまれているからこそ,全世界の中で知らない人はいないのだろう。それぞれの絵に共通しているのは、マリア様の慈愛に満ちた面影と,そのまなざしだ。一枚一枚のその絵を前にすると,なぜ心が休まり,癒されるのだろうか。生活の中でマリア様に倣うことは,人間としての極みを学ぶことになると,私は確信している。

 

マリア様ってどんな人なの?

 

「マリアさまの こころ それは あおぞら    わたしたちを つつむ ひろい あおぞら

 マリアさまの こころ それは かしのき   わたしたちを まもる つよい かしのき

 マリアさまの こころ それは うぐいす   わたしたちと うたう もりの うぐいす

 マリアさまの こころ それは やまゆり   わたしたちも ほしい しろい やまゆり

 マリアさまの こころ それは サファイヤ  わたしたちを かざる ひかる サファイヤ」

 

マリア様ってどんな人なの?

 

賢明学院に入学すると,聖母月の実践・ロザリオの月・死者のための月・イエスの誕生を迎える準備の待降節と,宗教的な実践活動に触れる機会がある。30年前,賢明学院の小学生が,ニュースで見た食料不足の為に痩せ細ったアフリカの子どもたちの映像を見て,いてもたってもいられなくなり,あくる日からおつけ物デーとして,自分たちのお昼ご飯をおにぎりに変えて,おかずはおつけ物だけにして,わずかばかりの献金活動を始めた。この実践活動は,今も幼稚園から小学生,中学生・高校生,そして教職員まで一丸となって続けている。思い立った小学生の心の勇気は,もちろん素晴らしい。それに賛同した小学生,そしてその活動を知った中学生・高校生が同調し,おつけ物デーとして学院全体で取り組む活動となって,現在まで継承されている。見えないところで賢明の生徒たちに培われた「心」に,マリア様の働き掛けがあったのだと思う。

 

 

さて,何故聖母月に,園児・児童・生徒に実践活動を奨励するのだろうか。人の考えや想いは,人の行いに現れる。思考の手立てを導くことで,心が陶冶される。友達に微笑みをもたらす行い,全世界の人に微笑みをもたらす行いは何だろうか。 「おはようございます」の朝の挨拶,「ありがとう」の感謝の言葉,「お先にどうぞ」という人を優先することを大切にする言葉。このいくつかの言葉を意識して使う実践が,やがてその人の思考を形成し,形成された思考が言葉となり,行動となっていくのではないだろうか。

 

学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫