優しい心を育むカトリック教育

2018/07/18

夏の風物 「朝顔」

 

一年生が,夏の風物詩ともなった「朝顔」を,校舎の横で育てている。夏休みを前に,子どもたちの毎日のお世話が実って,大輪の花が咲いている。朝顔は朝に花を咲かせ,昼過ぎにはしぼんでしまうのだが,最近の暑さのためか,子どもたちの朝顔は,早朝からぐったりとしてしまっている。一年生たちが,枯れてしまうのではと心配して,登校後すぐに水やりをしているのだが,この暑さには耐えられないのだろうか,葉っぱまでしんなりとなり,朝から元気を失ってしまっている。

 

一年生の教材として「朝顔」を育てる指導は,私が教師になりたての頃から続いているのだから,かれこれ40年以上も前から行われていると言える。当時は素焼の植木鉢に,校内の畑から土を取り入れる作業から始めていたが,最近の朝顔セットには,ステップ支柱・マルチ給水鉢・マルチ給水ジョーロ・名前シール・成長観察メジャー・あさがおの種・追肥・給水受皿・花と野菜の土(3.6L)と,すべて整っている。昔に比べて便利にはなったが,鉢・竹の棒など,一つひとつを探し,準備していたころの創意工夫は,時短の前に指導から姿を消してしまったようだ。せめて「朝顔」の花を使った遊びは,創意工夫が楽しめる遊びなので,代々引き継いでいって欲しいと思う。

 

(色水遊び)

花を絞って,その色水を作って絵を描く。

しぼんだ花を摘んで,色別に絞って,それを水で薄めたり,そのまま使って,濃淡の色を使って遊ぶ。

 

(葉っぱの鉄砲)

片手で指の輪を作って,葉っぱを破らないように押し込み,もう一方の手で元気良くたたくと,大きな音がする。

葉っぱの厚さや大きさによって,音の大小や高さが変わる。

 

(押し花)

薄い花びらを破らないように丁寧に,はさんだ紙の交換をして,薄い薄い押し花を作る。

 

(色のトリック)

(用意するもの、透明の容器2個、お酢、重曹)

① 透明の容器に,アサガオの色水を入れる。

② 一つ目の容器に,お酢を入れる。

③ もう一つの容器に,重曹を入れる。

お酢を入れた色水はピンク色に変わり、重曹を入れた色水は青色に変わる。

これは,アサガオの色素であるアントシアニンが,酸性に傾くとピンク色に,アルカリ性に傾くと

青色に発色するという性質の利用である。お酢や重曹の量を変えると,鮮やかさも変わる。

 

毎年大輪の朝顔を見事に咲かせておられる老人に,大輪の朝顔を咲かせるコツを教わった。

 

大輪の花を咲かせるためには種を蒔き,双葉が芽生えた時に間引くそうだ。ハート形をし広く丸みを帯びた形の双葉の苗は,大輪の花が咲くタイプだそうだ。細身で切れ込みの深い双葉のタイプは,大輪の花は咲かないそうだ。そして色の分別もできると聞いて,驚いた。御仁曰く,双葉の下の茎の色が,これから咲く花の色を反映しているそうだ。茎が白いと白い花が咲き,濃い色をしていると紫や青系の濃い花の色,また薄い色がついていると,ピンク系の花を咲かせるとおっしゃる。この事に,一年生は気が付いていたのかなと気になるところだ。また,種も大きな花の種を翌年の為に保存しておいて,来年の準備をなさるとも聞いた。

 

翌年も大きな花のアサガオを育てるために・・・

 

まず,大きな花の種を収穫する。茎や種の入った袋がカラカラに乾燥して茶色くなり,花びらのすぐ下の葉っぱであるガク,は水分を失って反り返っていることが収穫の目安。

 

乾燥が足りないと保存中にカビが生えることがあるので,しっかり乾燥させておくことがポイント。

1.採取した種を新聞紙など紙の上に湿気のない場所に置いて12ヶ月乾燥させる

2.封筒に種、乾燥剤などを入れてさらにビニール袋やタッパーなどに詰める

3.冷蔵庫の野菜室の隅で保管する

 

一年生は,来年も大きな花を咲かせてくれるかな。

 

学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫