優しい心を育むカトリック教育

2018/09/20

教育活動 幼稚園 【1】

初めての,集団社会。初めて共に過ごすたくさんの友だち,初めて出会う先生,子どもたちにとっては全てが初体験で,今までの家庭での体験とは異なった場面に遭遇します。親と離れ,自分で考え行動することを体験するのも,幼稚園という場です。

 

 

賢明学院幼稚園は

・子どもにとっても,親にとっても,安心できる場でありたいと願っています。

・人としての基本「優しさ」を,学び育てる場でありたいと願っています。

・優しい子に,育つ場でありたいと願っています。

 

【子どもたちは,自らが発達する力を持っています。】

私たちは,「それぞれの発達段階にある子どもを援助し,子どもたち一人ひとりが,自立していて,有能で,責任感と他人への思いやりの気持ちを持ち,生涯学ぼうとする意欲を築く」ことを目的としています。

 

つまり人間の基礎基本を培うことを,教育の中心に考えています。その為に実際の活動場面で,自分から進んで自ら挑戦してみようとする意欲として,自主性を育てます。一人で,やり遂げようとする自立心を,芽生えさるよう支援します。良いことに自ら進んで取り組む良心,叱られるからしないのではなく,良いことを見つけ,その道を進む勇気を,自律心として育てたいと考えます。自主・自立・自律を育てることは,「心の行儀」を育てることになります。

 

母親は,子どもを出産しますが,目の大きさや位置・鼻の高さ・身長・体重などを母が決めて,出産することはできません。子どもたちは,遺伝子と発達の法則を持って生まれてくるのです。生まれてきた子どもたち一人ひとりは,自然の発達の法則に従って,自らを成長・発達させる力を持っていますが,発達の法則は一人ひとり違っていて,発達段階のスピードも異なっています。親や教師は,それぞれの子どもの「発達段階」に合う学習条件や教具を用意し,子どもの成長を援助し促すことをしなければなりません。過剰な援助は,発達の妨げとなり,親の理想像に添わせることは,本来の発達の邪魔をしてしまいます。発達の妨げになるような手助けではなく,発達を促す援助が,子どもの成長には必要です。親は,我子は自分より良くなって欲しいと願い,将来の道を整えようとして、ありとあらゆることを教えようとします。これは親としての願いや思いからの行動なのでしょうが,子育ては,親の思い通りの人間を育てることでも作ることでもありません。

 

私たちは,子どもたち一人ひとりが持っている発達する力を見つけ出し,それを大切にし,慈しみ育み,子どもたちの援助者となって,保育をすることが必要です。“私が一人でできるように手伝って下さい”という子どもの欲求に応えられるように,援助することを教育活動の土台とするべきではないでしょうか。

 

【私たちの教育の目的は,自立した子どもを育てることです。】

この目的を達成するために,私たちは子どもをしっかり観察し,そこから得た情報と事実に基づいて教育法を構成し,独自の体系を持つ教具を使います。教具を使う時間を「お仕事」と呼んで,毎日子どもたちは,登園後に取り組み始めます。その教育法(モンテッソーリ教育法)の真実性は,現代の大脳生理学,心理学,教育学などの面からも証明されています。

 

◎教育方法=自立のための自由の保障と整えられた環境

賢明学院幼稚園では,次の四つを整えられた環境と理解し,教育しています。

1.子どもが自分で,自由に教具を選べる環境が整えられている。

2.やってみたいなと思わせる,おもしろそうな教具が準備されている。

3.社会性・協調性を促すための,3歳の幅を持つ異年齢混合のクラスを編成する場面がある。

4.子ども一人ひとりの発達段階に適した環境を整備し,子どもの自己形成を援助する。

 

※私たち賢明学院幼稚園の教師の役割は,「教える人」ではなく,しっかり子どもを観察し,助言と支援活動 

によって,園児の自主活動を援助することです。

 

学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫