優しい心を育むカトリック教育

2018/09/25

教育活動 幼稚園 【4】

3.言語教育: Language

 

 

子どもの言語発達について「名称(名詞)を知ることから始まり,その性質に関する単語 (形容詞)に移り,ものの関係を表す単語(動詞・助詞)に発展する」と言われています。言語教育では,絵カード,文字カードなど,それぞれの発達段階に即した教具を使い,「話す・読む・書く」の作業を通じて語彙を豊かにすることを目指しています。言語発達の敏感期に従い,教育内容を系統だて取り組んでいます。日常生活の練習と感覚教育を基礎とし,子どもの興味や傾向に適したゲームや,言葉遊びを用います。「話す」「書く」「読む」だけではなく,「文法」や「文章構成」も正しい言葉使いを聞くことから学びます。言語教育の教具には,幾何学形が枠とともにセットされていて,枠に沿って線を書くなどの運筆練習をする「メタルインセッツ」,つるつるした台にザラザラの砂文字で平仮名,カタカナが1文字ずつ書かれていてそれをなぞって指の感覚で学ぶ「砂文字板」などを使用します。

 

4. 算数教育: Mathematics

 

 

人間の精神の発達は,運動・感覚から抽象へ,感性的認識から抽象的認識へ,具体から抽象へ,と経路をたどって発展します。この経路をたどった教育法で,抽象的認識に至らせることを目指しています。

 

抽象的,論理的な力を要求される「算数教育」では,特に具体物(算数棒、ビーズなど)を用いて量を体感させることから始め,系統化された多くの教具によって徐々に,抽象へ移行します。 数量概念の基礎から十進法,加減乗除へと子どもを無理なく導きます。 計算力をつけることが今の発達段階の目標ではありません。

算数教育は,具体的に感覚で捉えることのできる「数量」から入っていきます。具体物である「数量」と,その数量を言い表すときに使う「数詞」,書き表すときに用いる「数字」の三者関係を重視し,これら三者が一致したときに初めて数量概念を身につけたと判断します。算数教具は,系統的に段階づけられ,具体から抽象の世界へ無理なく展開していきます。

 

1・10・100・1000の「金ビーズ」を用いて,視覚,重さなどで数を体感しながら学びます。「銀行あそび」「切手あそび」「蛇あそび」などの教具を用いて,グループまたは個人で楽しく4桁の四則演算を学びます。

 

5.文化教育:Culture

 

 

日常生活の練習・感覚・言語・算数教育の基礎の上に立って,先人が創り引き継いできた知識や生活様式を受け継ぎ,発展させていくための基礎を培うことを目的とします。

 

歴史,地理,生物,音楽などを主な内容としますが,それらを体系的に学ぶのではなく身近な事物に触れたり,観察したりして,文化を獲得する態度を養います。生物・地理・地学・歴史・宗教・音楽・体育・美術などを体験的に学びます。生命の神秘(誕生と死)への興味や,芸術に関する表現力など,多岐にわたった能力を育みます。教具には、「太陽系の惑星の模型」や「世界地図・日本地図パズル」、「動植物の絵カード」などがあります。

 

学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫