優しい心を育むカトリック教育

2018/12/04

音楽会

 

リヴィエ・ホールに,歌声が響きました。

 

12月1日,小学校では音楽会が開催され,一年生から六年生まで「日本の心」が感じられる,懐かしい唱歌や童謡,そして民謡を29曲合唱しました。音楽会での発表は,児童全員の合唱と,また合奏を含むと35曲に及びました。35曲という数は,発表する児童にとっても,指導する教師にとっても,限界に近い曲数です。

 

メドレー形式の童謡の発表や,沖縄民謡をその地方の言葉で歌った六年生等,それぞれの学年の創意工夫は圧巻で,発表の一曲一曲がもう終わったのかと感じてしまうほど,観客を魅了しました。どの学年の高音の響きにも,観客の心をひきつける美しさに特色があり,そのすがすがしい声に客席と舞台の児童が,一体化してしまいました。

 

「うまい」という評価もありましたが,今回の音楽会は,声と心の「美しさ」を感じさせた発表でした。

 

当日までの限られた時間数の中で,歌の練習・入退場の練習・立ち位置の確認等と,課題は続いたことでしょう。練習すればするほど,さらなる練習の必要性が見えてくるのは,運動会や学習発表会等,学習の成果を発表するときに必ず出くわす一つの壁です。この壁を乗り越えるために,担任は担任で知恵と工夫を凝らして,歌い込む大切さを子どもたちに指導しました。今回のように学年単位で発表する場合の指導では,クラス間の時間割の調整や他教科との時数調整など,多くの問題解決をしていく先生方の協力と一致がなければ,練習時間も満足に確保できない状態になります。発表当日を迎えるまでには,このような先生がたの見えない苦労があります。この苦労は,言葉で伝えなくても子どもたちは心で察知し,協力しなければ,みんなが心を合わせなければ,物事は完成しないことを学んだ音楽会となりました。

 

「ドレミファソラシド」は イタリア語とフランス語の音名で、 「聖ヨハネ賛歌」が起源だそうです。

Ut(Do) queant laxis          Resonare fibris

 Mira gestorum                Famuli tuorum

 Solve pollute                     Labii reatum

 Sancte Johannes

 

「あなたのしもべたちが      弦をかきならして

  たの素晴らしいみわざを    和やかな気持ちで称えられるように

  彼らの汚れた唇の罪を清めてください    聖ヨハネよ」

 

「バプテスマのヨハネ賛歌」は各節が一音ずつ高くなるので,各節の歌詞の最初の音節を元に,11世紀イタリアの修道僧で,音楽教師でもあったグィード・ダレッツォが「ドレミファソラシド」を,作ったとされています。

各節の最初の音節を取ったわけですが,「Ut」は口調をよくするために「do」に,「Sancte Johannes」は聖ヨハネのフランス名「Saint Ian」から「si」に変えられ,「ドレミファソラシド」ができたといわれています。

 

『音楽だけが世界語であり,翻訳される必要がない。そこにおいては魂が魂に話しかける。』

 

バッハ(ドイツの作曲家、音楽家 / 1685~1750)

 

学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫