優しい心を育むカトリック教育

2019/01/22

大切なもの

この頃のテレビの番組表を見ていて,感じることがある。それは,VARIETY番組が多いことと,昼の時間帯に,長時間汲まれている社会評論番組の多いことだ。これらの番組の評論家の話や,新聞・週刊誌・NET情報によって,今や国民は膨大な情報源を持っている。そしてそれを,あたかも自分の知識のようにして,評論家になる御仁が多い。評論することで,自己満足感を得ているのだろうと,画面等から伝わって来ることがある。政治評論・野球評論・サッカー評論・ラグビー評論・駅伝評論等,にわか評論家になってしまうのは,冬休み中の政治番組とスポーツ番組の影響を受けてのことだろうか。それにしても身の回りに,にわか評論家が多いことに気付く昨今である。今の時代,国民総評論家時代なのかもしれない。

 

教育改革と大学入試制度の変革が目前に迫って来て,最近やたらと教育評論家も増えた。批判は好き嫌いの感情だけでも出来て,評論は,多少の知識があれば出来る。つまり,批判や評論は誰にでも出来るのである。改革の提案は,経験があれば出来るが,改革を実行するには,知恵と力と勇気,そして信頼される人柄が必要となって来るだろう。実行できる人は,やはり少数だろうと思える。

 

現在,巷ではQUEENが持て囃されているが,それは彼らの歌に,社会に対する批判や評論以上の何かを,若者たちが感じ取っているからではないだろうか。社会の中で大切なもの,大切にしなければならないものに対する,共感ではないだろうか。

 

私がまだ若かった頃に,一世風靡した歌が,今の若者たちに共感を得ているとは,少し不思議な気がする。伝わる物を持っている歌は,時がたってもまた,人々に求められるのだろう。社会を批判するよりも,社会の中で大切なものは何かを思い出せてくれるものは,時を経ても変わらず,人々に求められるのではないだろうか。そしてそれが,人生の指針にもなっていくのでは,ないだろうか。社会批判や評論よりも,未来を信じる歌詞が,いつの時代においても人々の共感を得るのだろう。

 

 

FRIEND  Will Be Friends / 心の絆(Queen / クイーン)1986

 

Friends will be friends 

When you're in need of love  they give you care and attention

Friends will be friends

When you're through with life    and all hope is lost  

Hold out your hand 'cos friends will be friends   Right till the end

 

友達はいつまでも友達だ

きみが愛を必要としたときは 気づかって忠告だってしてくれる

友達はいつまでも友達なんだ

きみが人生を締めくくるときに 希望も何もかもなくしたって 手を伸ばしてごらん

だって友達はずっと友達なんだから 最後の最後まで…

 

どこで生まれようと,どんな人であろうと関係ない。素晴らしい音楽を私たちに与えてくれる人が好き,ただそれだけのことだ。多様性を認めることの大切さを,スタンスを,クイーンから学んだ。

 

学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫