優しい心を育むカトリック教育

2019/04/01

光陰矢の如し

三月は「去ってしまう月」と,先輩から教えられた。年度末の仕事は一日一日分割して,着実にこなしていかなければならないという教えだ。知ってはいるが,なかなか実行出来なかったのが,正直な自分の過去だ。それでも現在の先生がたより,時間は確保出来ていたと思う。しかしながら,このブログも,今年の三月には一つとして掲載出来なかった。友人から,掲載しろと激励されたが,本当に書く時間がなかったと,弁解するしかなかったしだいだ。

 

かつて春休み中には,教職員の旅行や,海外ボランティア活動が出来ていたのだが,今から思うとそんな時間があったのが不思議な気がする。その頃はまだパソコン等はなく,年度末の書類作成は,ペンを使っての手作業だった。現在は,便利になったはずなのに,何故こんなに忙しい社会になってしまったのだろう。

 

便利を求めて日進月歩で機械化され,AIが活用されているのに,人の仕事は減らないのだろうか。

 

 

二月半ばから三月半ばにかけて賢明学院では,高等学校の卒業式に始まり,幼稚園の卒園式,小学校の卒業式と,全部で五つの旅立ちの式が挙行され,そこに参列した。立派になった姿に目頭が熱くなり,この子たちの成人の日を思い,そのとき平和で安らかな日々が実現されている事を,心から願った。そして,賢明の卒業生たちが全ての社会で,賢明学院で学んできた事を生かして,一人ひとりの力を発揮して欲しいと期待する。特に賢明の挨拶は,全世界に通じる姿勢を持つ挨拶だと思う。

 

≪立ち止まる・頭を下げる,そして微笑む≫ 人を大切にしている事を,この一連の所作が物語っていることを,忘れないで欲しい。私たちは神様から愛され,人を愛することが出来る力を持っている事を。そして,微笑みには,私たちの心の中にある,目には見えない愛を目に見える形にして,相手に伝えるコミュニケーションの力を持っている事を。

 

【Sr渡辺和子の言葉】

ほほえむことを忘れた人たちに,ほほえみを惜しまずに与えましょう。「あなたは1人ぼっちでない」というメッセージを発信し続けましょう。ほほえみには,マジックのような力があります。与えられた人を豊かにしながら,与える人は何も失わない ― それがほほえみなのです。

生 誕  1927年2月11日   北海道旭川市で出生。
帰 天  2016年12月30日89歳没         

 

父親は当時,陸軍中将で旭川第7師団長だった渡辺錠太郎。
北海道旭川市出身の教育者,修道者、著述家。ノートルダム清心女子大学の理事長を務めた人物。2012年に発表した『置かれた場所で咲きなさい』は195万部を超える大ベストセラーとなった。上智大学大学院修士課程を修了後,1956年にナミュール・ノートルダム修道女会に入会。アメリカ留学を経て,1962年にノートルダム清心女子大学教授に就任。1984年にマザー・テレサが来日した際には通訳も務めた。
1936年,成蹊小学校3年生で9歳の時に二・二六事件に遭遇。父の居間で,当時大将で教育総監だった父が青年将校に襲撃され,44発の銃弾で命を落としたのを,わずか1mほどの距離から目の当たりにした。

 

学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫