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July

2012

創立者列福30周年にあたっての想い

賢明学院 理事長 Sr.中西美檜
卒業生の皆さま, お元気でいらっしゃいますか。
年年歳歳, 花は同じように咲いていますが
「人, 同じからず」の感をしみじみ味わっています。
もちろん, これは毎年, 入学生, 卒業生が入れ替わるということでもありますが
とくに今年は, 賢明学院にとって, 大きな節目の年,
再出発の年となるからでもあります。

皆さまの中には, 1982年玉造教会の大聖堂で
創立者マリー・リヴィエが「福者」に列せられたことをお祝いし,
堺の賢明学院と姫路の賢明女子学院の全生徒, 全教職員が
一つになって, 感謝のミサを捧げたことを覚えていらっしゃる方も
おありでしょう。
今年はその30周年を迎える記念の年となりました。

マリー・リヴィエを「福者」と宣言することによって,教会は彼女を
すべての人の生き方の模範とし, 「愛の証人」として
わたしたちの道の光, 足の灯として示してくださいましたが
皆さまの母校は, この創立者の「列福30周年」という特別の年に
中学1年生から高校3年生まで, 完全な男女共学校として
新たな歩みを踏み出しています。

中学生107名, 高校生260名の新入生を迎え,
中学校9クラス, 高等学校19クラス, 総生徒数924名
学院全体の児童生徒数は1,613人と学院の歴史始まって以来の
大家族となりました。

5年前には瀕死の状態にあった賢明学院が再び活気を取り戻し,
新しい出会いと新しい交流が生れ, 新たな夢と希望のうちに再生できたのは,
何よりも理事会の皆さまや教職員や保護者の皆さまのお働きのお蔭ですが,
それと同時に, 女子高の時代に品位を保ち, よき伝統を築き,
地域社会の方々からよい評価を得てくださった卒業生の皆さまの「遺産」の
賜物と心から感謝しています。

共学にあたっての困難は, まだまだ消えることはありませんが
賢明学院で学びたいとこの学校を選んでくれた, 男子生徒や女子生徒の
爽やかな挨拶や笑顔, 人工芝グランドにこだまする元気な掛け声に
励まされて, 私は恵みのうちに, 一日一日を過ごしております。

女子校と共学校, 制度は大きく変わりましたが, 創立者マリー・リヴィエと最初の
同志だちによって始められた教育は今も賢明学院の根幹に流れつづけています。
「信じぬくこと, 希望すること, そして愛すること。」・・・・・・創立者が命をかけて示した
このメッセージは, 賢明学院で教育をつづける新旧すべての教職員の光となっています。
若い人たちの知性を知識の宝に目覚めさせ, その心を他人に対する尊敬と連帯に向かって
開かせ, 若さと熱意をもった人たちに責任ある自由を身につけさせるほど,
すばらしい使命が, 他にあるでしょうか。

変えてはならないものを固く守りながら, 変わることを恐れず, フランス革命の時代に
反対者や挑戦をおそれなかったマリー・リヴィエに倣って, 熱意をもって,
新たな挑戦をつづける母校を, 今までにもまして大きな愛をもって, 見守り応援しつづけて
くださるよう心からお願い致します。

皆さまのご支援に期待できることを確信しつつ,私は心から感謝を申し上げ
マリー・リヴィエが皆さまとご家族, 皆さまにとって大切な方々の上に
優しいまなざしを注いでくださるようにお祈りいたします。