優しい心を育むカトリック教育

入試・入学に関するお知らせ

2025/10/25

秋麗祭(eスポーツ エキジビション レース)

 

【eスポーツ体験 エキジビション レース】2025年9月13日(土)

 

秋麗祭2日目にアトラクションの1つとして毎年eスポーツ体験を奉献会様が実施してくださっていますが、今年はeモータースポーツ体験としてプレイステーションのソフト「グランツーリスモ7」での実施となりました。

 

 

 

「グランツーリスモ」はゲームでありながら”リアルドライビングシミュレーター”として制作されており、実車の動きを物理法則に則って忠実に再現することができ、一般的なゲームとして誰でも楽しめる一方で、本気でタイムを競う事もできる本格派のドライビングシミュレーターです。世界中のプレイヤーとオンラインで対戦することもできます。

そしてこのグランツーリスモが「eスポーツ」として認められているのは、本当に速く走る為には本物の車を走らせるのと同じテクニックを必要とし、ひたすら腕を磨くトレーニングを積んだ者のみがレースで勝利する事ができるからなのです。

 

 

 

さらに驚くことに、このeスポーツの世界には「プロ」として活躍する方々が存在します。「ゲームがうまいだけでプロになれるの?」と思われるかもしれませんが、このグランツーリスモに限っても、ただ腕を磨いて速く走れたとしても、現実のスポーツと同じように世界中に無数に存在する「アマチュア選手」に過ぎません。その中で特に秀でた能力を持つ選手のみが、企業や団体、そしてそのカテゴリーで「仕事として」勝利を目指すレーシングチームなどの看板を背負って「仕事として」走る事を請け負った選手が「プロ」なのです。

 

 

 

また、このグランツーリスモの世界で「特に秀でた能力」を身につけるためには、現実のプロレーサーと同じく、ただ車を早く走らせるテクニックを磨くだけにとどまらず、様々な知識、特に車の各部に働く物理法則を理解し、走りに反映させる事が求められます。

例えば目の前のコーナーを走り抜ける時、どの走行経路をどれぐらいの速度で通過する事ができるのか判断する為には、目に見えるコースの幅や曲線の半径だけでなく、タイヤの性質や温度・空気圧と、路面の温度や濡れ具合・砂・タイヤカスなどの落下物の堆積状況などから、タイヤが発揮できる摩擦力(グリップ)の限界を総合的かつ瞬時に判断し、なおかつそのグリップを車に発揮させるための正確な力加減・速度・タイミングでのステアリング・アクセル・ブレーキ操作、適切なギアチェンジ、そしてコーナリング中に常に変化する4つのタイヤそれぞれにかかる荷重を予測、あるいはコントロールする能力が必要となります。

 

 

 

この能力を論理的、あるいは直感的に身につけた人たちが「プロ」の領域に到達し、その中でも特にその能力に磨きをかけた者が「勝利」を手にすることができる、それが現実のレースの世界、そしてそれをバーチャルの世界に落とし込んで戦うのが「eモータースポーツ」なのです。

逆に言えば「eモータースポーツ」でプロの領域に到達すれば、現実のレースでも通用する可能性を秘めており、実際に現実のモータースポーツのトップカテゴリーで活躍しているeモータースポーツ出身のプロレーサーも存在します。

 

 

 

現在、世界中でグランツーリスモを使った大会が開催されており、F1などの現実のレースを統括するFIAが主催する大会もあるなど、モータースポーツを盛り上げる1つのカテゴリーとして確立されつつあります。

その大会の1つで日本で開催されているのが「JEGT(Japan Electronic sports Grand Touring)」であり、今回の秋麗祭でのeスポーツ体験はJEGTの主催団体さんのご協力で開催されています。

また、実際のJEGTの大会開催時に実況を担当されている方と共に、解説としてJEGTにも参戦されているプロeスポーツレーシングドライバーである山本秀弥選手も賢明学院に駆けつけてくださいました。

 

 

 

山本秀弥選手は「SCARZ」というプロゲーミングチームに所属し、2025年のJEGTグランプリシリーズにおいて、第3戦終了時点で同チームがランキング3位につけています。

 

秋麗祭でのeスポーツ体験では、実在するサーキット「富士スピードウェイ」ショートコースを2周するレース形式で行われました。

 
 

中高の生徒をはじめ、賢明学院小学校の児童も親子で楽しんでくれていました。

 

【エキジビションレース】フリー走行&選手紹介

 

そんなeスポーツ体験のレースで、2周合計のベストタイムがランキング形式で記録され、上位3名がプロである山本秀弥選手に挑戦できるエキジビションレースへの出場権を獲得しました。

プロの山本秀弥選手に挑戦するのはこの3名。

 

●ランキング1位:3分56.323秒
カーNO.2(青のマシン)賢明学院小学校6年 勝浦晴貴選手

小学生にしてランキング1位を奪取!彼はグランツーリスモ経験者であり、家でも写真のようなハンドルコントローラーで日々腕を磨いている猛者です。経験値なら賢明学院随一かも知れません。たくさんの応援団と共にレースに臨みます。

 

●ランキング2位:3分59.125秒(1位との差+2.802秒)
カーNO.3(赤のマシン)賢明学院中学校2年 松永達也選手

トップの勝浦選手に後れを取ったとは言え、ランキングではたった2人だけ4分切りを果たしたもう1人、松永選手。彼もグランツーリスモ経験者ではあるものの、ハンドルコントローラーは持っていないそうで、ボタン式のコントローラーで腕を磨いてきたそうです。むしろこのレースでは慣れないハンドルコントローラーで挑む事に。それでも”ハンコン勢”には負けられない!という意気込みで臨みます。

 

●ランキング4位:4分01.704秒(1位との差+5.381秒)
カーNO.4(黒のマシン)一般参加のお兄さん

ランキング3位の選手が棄権したため、繰り上がりで出場権を獲得されました。タイム差も大きく引き離されている訳ではないので実力は未知数。台風の目となるか?!

 

●参考タイム:3分43.078秒(1位との差-13.245秒!)
カーNO.1(白のマシン)プロeスポーツレーシングドライバー 山本秀弥選手

同じ設定のイコールコンディションの車なのに、この圧倒的タイム差がプロの実力を物語る、チームSCARZ所属の山本秀弥選手が、賢明学院のトップランカー3人を迎え撃ちます。いったいどんな走りを見せてくれるのでしょうか。

 

【エキジビションレース】14:40 決勝スタート

 

ついにエキジビションレースの決勝がスタートします。スターティンググリッドはフリー走行のタイムの速い順となり、先頭”ポールポジション”からのスタートが青のマシン勝浦選手、2番手が黒のマシンのお兄さん、3番手が赤のマシン松永選手です。プロの山本秀弥選手は最後尾4番手から、さらにハンディキャップとしてレーススタートから15秒後にスタートします。

 

なお、決勝レースは3周で行われます。各マシンは全くの同設定のイコールコンディション、実力がモノを言いますが、レースは競い合い、何が起こるかわかりません。会場は緊張感に包まれ、スタートの合図のグリーンシグナルを待ちます。

 

シグナルグリーンで決勝レーススタート!

白のマシン、プロの山本秀弥選手はその場にとどまり、他の3選手が猛然と逃げます。

 

 

ポールスタートの青のマシン勝浦選手は、2番手スタートの黒のマシンのお兄さんに第1コーナーで先行を許しますが、射程圏内で追従します。奥の画面、白のマシンのプロの山本秀弥選手がようやくスタート。しかし前の3台の姿はもう見えません。本当に追いつけるのでしょうか?

 

青のマシン勝浦選手、高速の右コーナーで黒のマシンにアウトから並びかけます!続く左のヘアピンコーナーのブレーキングで有利なイン側を押さえ、早くもトップを奪還する素晴らしい走りを披露します。赤のマシン松永選手も前の2台をきっちり追走し、チャンスを伺っています。

 

 

2周目に突入すると青のマシン勝浦選手がその実力を発揮し、2位以下を引き離す展開に。応援団も大盛り上がりで声援を送ります。

 

一方2番手争いは黒のマシンのお兄さんと赤のマシンの松永選手が激しいバトルを展開しながら最終コーナーを立ち上がりますが、猛然と追い上げてきた白のマシンのプロの山本秀弥選手がいつの間にか背後に!2kmのメインストレートでこの2台を一気に抜き去りました。

 

同じマシンなのになぜそんな事ができるのでしょうか?ストレートでは前の車の真後ろに入ると空気抵抗が減り、スピードを上げられる事も要因ですが、2台を一度に抜くためにはさらにスピード差が必要です。ポイントはストレートの直前の最終コーナー。ここを前の2台よりも速い速度で駆け抜ける事で、ストレートでのスピード差がさらに生まれ、一気に抜き去ることができたのです。一見簡単に抜いたように見えても、その事を理解し、そして実行して成し遂げる、これこそまさにプロの仕事!

 

レースはついに3周目”ファイナルラップ”に突入。トップは依然青のマシン勝浦選手ですが、2番手に白のマシンのプロの山本秀弥選手が一気に順位を上げてきました。それでも目に見える1位と2位の差はまだ開いています。このまま青のマシン勝浦選手が逃げ切り、プロに勝ってしまうんじゃないかという期待感に会場がざわめきます。

青のマシン勝浦選手は本当にいい走りで懸命に逃げますが、画面左上に表示される2位プロの山本秀弥選手とのタイム差が、コーナー1つクリアするごとに減っているのが見えており、激しいプレッシャーを感じていることでしょう。それでも大きなミスをする事なく走り続ける彼は本当にすごいです!ついにレースは残り1/3周、5つのコーナーを残すのみ!

 

が!その直前のフルブレーキングで一気に差を詰めたプロの山本秀弥選手の白いマシンは、コーナークリアの速度差をもって一瞬で青のマシン勝浦選手をパス!ここでもプロの実力を見せつけた山本秀弥選手が、ついにトップに立ちました。

残すコーナーはあと3つ、決着が着いたと誰もが思った次の瞬間、青のマシン勝浦選手は走行ラインをずらし、最終1つ手前の左コーナーでプロの山本秀弥選手の白いマシンのイン側に飛び込んだ!

どよめく会場!プロを相手にトップを奪い返した青のマシン勝浦選手は、プロの山本秀弥選手の白いマシンを従えてそのまま最終コーナーへ突入!!本当にレースは何が起こるかわからないから面白い!!

そのまま最終コーナーを立ち上がる2台。前を行く青のマシン勝浦選手がついにプロを倒して勝利!!

 

と、誰もが思った次の瞬間、モニターに映し出されたのはストレートで青のマシン勝浦選手に並びかけるプロの山本秀弥選手の白いマシンの姿!最終コーナーからゴール地点まで約1kmあるこのコースで最後の加速勝負!!

一度は不意を突かれ抜き返されたプロの山本秀弥選手は、冷静に最後のストレートで前に出る為、最終コーナーを青のマシン勝浦選手より速い速度でクリア、またしてもその速度差で徐々に前に出る白いマシン。そのままゴール地点を通過!プロのすごさを見せつけて山本秀弥選手が勝利!!

 

めちゃくちゃ悔しそうな勝浦選手ですが、むしろ彼の走りが山本秀弥選手のプロの技を引き出させたと言っても過言ではなく、一度は抜き返すという大物ぶりを発揮するなど、本当に素晴らしいレースを見せてくれました。将来が楽しみで仕方がないですね!

 

3位争いは赤のマシンの松永選手が黒のマシンのお兄さんに競り勝ち3位表彰台をゲット!終始クリーンかつ熱いバトルが展開されたレースに会場は感動に包まれました。みなさんお疲れ様でした。

 

ゲームであっても本気で取り組んできたからこそ、プロに挑戦するチャンスを得、その走りで会場を沸かせ、また「プロ」の何たるかを思い知ったであろう3人の”eスポーツレーシングドライバー”に大きな拍手を贈りたいと思います。この経験は今後のeスポーツ活動のみならず、勉学に、そして人生に生かしていってくれる事でしょう。

また、惜しみなくプロとしての大きさを見せてくださった山本秀弥選手、ご協力くださったJEGT主催団体の皆さま、この体験を生徒の為に準備してくださった奉献会の皆さまに、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

 

レポート:WEB広報担当 林

 

 

<JEGT、チーム「SCARZ」について詳しく知りたい方はこちらから>

●JEGT公式WEBサイト
https://www.jegt.jp/

●チーム「SCARZ」公式WEBサイト
https://www.scarz.net/

 


【2日目】模擬店

 

single