優しい心を育むカトリック教育

お知らせ

2024/02/05

【関西学院大学特進サイエンスコース】AP成果発表会

『trial and error』 ~挑戦せよ、そしてエラーを発見せよ~



2024年1月26日金曜日の午後、賢明学院高校3年生関西学院大学特進サイエンスコース の生徒たちによる第2回AP成果発表会がリヴィエホール・アリーナにおいて、同級生、在校生、教員、保護者など多くの人を集めて開催されました。関西学院大学理系4学部への特別入試を終え、21名の合格通知書を手にした後のことでした。



全14チーム中、最優秀に選ばれたのは生命環境研究室の入佐鴻撞君、藤浪直樹君、堀溝理央君が発表した「コオロギの複眼についての研究」でした。
複眼を構成する個眼の数を丁寧に数え上げるという緻密で繊細な作業に取り組み、おそらくは世界で初めてのコオロギの個眼数を明らかにし、コオロギにも利き目があるなどの考察を加えてまとめ上げた素晴らしい発表でした。




優秀賞にはこれに続く2グループが本当に僅差で選ばれました。
一つは工学研究室の穴口幹大君と松井陽翔君の「継ぎ手のダボによる強度比較」でした。日本建築の木造における木ダボに着目し、木材に対する木ダボの角度を変えて、その耐久荷重を測定して強度の比較を行ったものでした。
おりしも今年の元日に起こった能登半島地震をニュース等で目の当たりにした後でしたので、防災の意識も高まっていたところのこの発表でした。




もう一つは生命環境研究室の生田愛徒君、田中玄士君、深川稜平君の「アカハライモリの尾の再生実験」でした。
生き物を実験材料に使う難しさの中に、イモリへの愛をこめて科学的にアプローチを行い、夏の酷暑の中でも、温度調節などに配慮しながら根気強く実験し、考察していてとても感心させられました。
切り口の違いと餌の与え方の違いの2つについて調査報告を行ってくれました。




表彰されたこれらの3つは「問い」のオリジナリティが大きく評価されたのではないかと推察しています。
発表を聞いていた在校生には中学生も含まれていましたが、普段勉強している教科が基礎となっていることにあらためて気がついたものと思います。それは数学や理科だけでなく、発表するには国語や英語、製作するには美術や技術家庭などあらゆる教科がその土台となっているのです。




単にテストのため、入試のためにとどまらず、その先をみせてくれた発表者の皆さんに心から敬意を表します。試行錯誤の語源は「trial and error」です。“and”は“かつ”です。「挑戦せよ、そしてエラーを発見せよ」これが試行錯誤の神髄です。


発表内容「三者間の恋愛関係を表す数理モデルの拡張」


発表内容「十字形交差点を表すセルオートマトンの拡張と規則性」


発表内容「Pythonを用いた反応拡散方程式の数値計算とチューリングパターンの生成」


発表内容「ポテンシャル障壁に対する時間発展のシュレディンガー方程式を用いた量子力学的なミクロな粒子の振る舞い」


発表内容「内装の違いによる部屋の広さの感じ方」


発表内容「砂防ダム」


発表内容「防音材の比較」


発表内容「ドローンの文字認識」


発表内容「ドローンの艦隊飛行による物体の運搬」


発表内容「ドローンによる色別移動判断」



最後になりましたが、このAP授業を導き構築させてくださった担当の先生方に心から厚く感謝申し上げます。
この賢明学院でのAP授業の取組が、やがて賢明学院での新たな伝統へと成長していくことを心から願っています。



中学高等学校校長 石森圭一

 

 

2022年度 第1回AP成果発表会の様子はこちら(2023.1.27)

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