優しい心を育むカトリック教育

2017/02/08

Espresso と Napoli

2017年2月8日(水)

 

年度末を控え,企業も学校も一段と多忙な時を迎えています。

 

残業の制限・インフルエンザの流行・アメリカ大統領選の影響による株価変動・大雪による交通混乱等々,年が明けて想定外のことが多く発生し,業務集中が始まっています。

 

そんな時だからこそ,「拈華微笑の心」がほしいと思います。そして,ちょっと一息つくゆとりを・・・・

最近コーヒーの話題が続いたので,エスプレッソコーヒー談義です。

 

一昔前は喫茶店でコーヒーでした。

今は,コンビニで挽きたてのコーヒーが購入できる時代,そしてガソリンスタンドでも・・・・コーヒー文化が日本にもすっかり定着しました。自販機に並ぶ日本茶を見て,だれも買う人いないだろうなんて,評論していたことはすっかり外れてしまいました。甘くてミルクたっぷりな缶コーヒーが一斉風靡した時代は去り,無糖の時代に,そしてブレンドも多種多様になりました。コーヒー文化は自動販売機と共に,しっかりと日本に溶け込んだと言えます。そして,日本茶を購入する文化も定着しました。文化は発展したり消滅したり変化したりするものなのですね。ここで一息,ナポリっ子になってみませんか・・・・「冷吟閑酔」の気持ちで

 

「いっぱいの温かさをどうぞ」

 

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濃厚でフルボディダークローストのエスプレッソに合わせて,たくさんの砂糖をいれて飲むのがナポリスタイルです。 1袋約46gの砂糖をカップへ流し込み,スプーンで3050回かき混ぜてしっかり乳化させるとチョコレートやキャラメルの味わいになります。この味を楽しむために,本当によくかき混ぜます。バールでは,コーヒーの泡の上に砂糖を浮かして自然沈殿してからおもむろにかき混ぜる人,一気に砂糖を入れてせわしくかき混ぜる人,エスプレッソが提供されるのを待ちきれず砂糖の袋を開けて待っている人などいろいろです。混ぜ終わって完成されたエスプレッソを23口で飲み干しすぐに立ち去ってしまう人もいれば,屋外のいすに腰掛け一時間以上もかけて味わっている人もいます。みんなが自分スタイルを持っているのもナポリでしょう。

バールでエスプレッソを注文すると,小さなグラスに一杯の水がついてきます。これは濃いエスプレッソで喉が乾くからではなく,始めに水を口に含んでリフレッシュ。一層味わいを楽しむためなのだそうです。利き酒みたいですね。

たまには,エスプレッソをEspressoらしく楽しんでみましょう。陽気で,楽天的で,そして優しい,ナポリっ子を思いながら,エスプレッソをどうぞ。「どこに行こうとしているのかわからないのに、決して遠くまで行けるものではない。」ゲーテの言葉などかみしめて,Espressoを楽しみましょう。糖分の取り過ぎに注意しながら・・・・・。

 

(こだわり)

▲一般的なエスプレッソは7gのコーヒー豆を使用しますが,より濃厚で味わい深いエスプレッソを抽出するために,ナポリではレバー式エスプレッソマシンを使用する場合は8gの豆を使用します。

▲エスプレッソを提供する前にあらかじめカップの中に砂糖を入れるお店があります。これは、ナポリ気質であるお客様のために最大限の接客を行うことから始まったサービスだそうですが・・・砂糖ぐらいじぶんでいれるよ。と言いたい。

▲よく使われるブランドは「キンボ」。伝統のエスプレッソの焙煎はダークローストです。

▲イタリアでは一般的に2530mlのエスプレッソを好んで飲みますが,ナポリでは2025mlとより少量にすることで,さらに味わい深い,濃厚なエスプレッソを飲む習慣があります。

 

 

学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫