優しい心を育むカトリック教育

2016/12/14

三のニ 熊蟄穴(くまあなにこもる)季節

「あかるく,いつも,さわやかに,つづけよう」

 

2016年12月14日(水)

 

学生だった頃,夏になると教会関係のキャンプの手伝いに淡路島に出かけたものです。

 

まだ本州との架け橋はなく,深日港から洲本港に渡り,市内のカトリック幼稚園に宿泊させていただいて,小学生中学生のためのサマーキャンプの手伝いをしました。

淡路島を訪れ,洲本港の横に広がる白い砂浜を見るたびに,今でも当時の事を懐かしく思い出します。

 

キャンプのリーダーミーティングの時に,ミサの中でも「主の平和」と挨拶をするようになり,聖書の中に書かれている挨拶の理解について話し合いました。幼稚園の指導でも以前にもまして,挨拶の指導をしていることを園長先生がお話してくださり,各々が幼児期を思い出して,自分は挨拶のできなかった子だったとか,どんな子があいさつを積極的にできるかとか,自分たちが幼かったころは,自分で歩いて幼稚園に行っていたとか,自分たちの幼稚園時代を振り返って,話に花が咲きました。ミーティングのまとめの時に「どんな子が自分から挨拶ができるか,みなさんはどう思いますか。」と,園長先生から質問が出され,学生なりにいろいろな意見を出し合いましたが,園長先生がおっしゃったことが,今でも記憶にはっきり残っています。「挨拶がきちんとできる子は,お母様がまずきちんと挨拶なさる方です。」「お母様が一番のお手本なのですよ。」「皆さんが先生になられるのなら,まずお母様方と一つ一つの躾について,しっかり話し合ってくださいね。そうしないと,先生の指導とお母様の躾がずれてしまっては,子どもたちが戸惑うでしょ。」

 

当時は,そんなものかと思っていましたが,いざ教育現場に立つとこの言葉がひしひしと感じられます。先生と保護者と子どもの関係が三角形のようにバランスが取れていること,同じ内容が子どもに伝えられていないと子どもの心にすんなりと届かないこと,先生と家庭の二人三脚が大切なことを今実感しています。「まねる」ことから「まねび」へ,そして「学び」へと発展するのでしょう。人による,人に与える人の環境の大切さも,ひしひしと感じています。

 

 

学びについて  (子育ての参考になさってください。)

Children Learn What They Live 子どもたちは,こうして生き方を学びます。

 

批判ばかり受けて育った子は,人をけなすようになります。

いがみあう家庭で育った子は, 人と争うようになります。

恐れのある家庭で育った子は,びくびくするようになります。

かわいそうだと哀れんで育てられた子は, 自分が哀れな人間だと思うようになります。

ひやかしを受けて育った子は,はにかみ屋になります。

親が他人に対して嫉妬ばかりしていると,子どもも人を羨むようになります。

侮辱したりけなしたりされて育った子は,自分に自信を持てなくなります。

 

大人から挨拶されたり,話しかけられたりする体験が自然に幼児の心を育み,社会性を身につけていたのではないでしょうか。

 

励まされて育った子は,自信を持つようになります。

ほめられて育った子は,感謝することを学びます。

心から受け入れられて育った子は, 愛することを学びます。

認められて育った子は,自分が好きになります。

子どものなしとげたことを認めてあげれば,目的を持つことの素晴らしさを学びます。

 

寛大な家庭で育った子は,我慢することを学びます。

分かち合う家庭で育った子は,思いやりを学びます。

正直な家庭で育った子は,誠実であることの大切さを学びます。

公明正大な家庭で育った子は,正義を学びます。

やさしさと,思いやりのある家庭で育った子は,他人を敬うことを学びます。

安心できる家庭で育った子は,自らを信じ,人をも信じられるようになります。

和気あいあいとした家庭で育った子は,この世の中はいいところだと思えるようになります。

 

Hourglass in the dawn time

 

シスター渡辺和子先生の言葉

ほほえむことを忘れた人たちに,ほほえみを惜しまずに与えましょう。

「あなたは1人ぼっちでない」というメッセージを発信し続けましょう。

ほほえみには,マジックのような力があります。

与えられた人を豊かにしながら,与える人は何も失わない ― それがほほえみなのです

 

渡辺和子(わたなべ かずこ)

1927年2月11日生まれ

学校法人ノートルダム清心学園の理事長

 

◎明るいさわやかな挨拶を知っている子は,微笑みの挨拶ができるようになるのでしょう。

◎微笑みを持つ子は,みんなから好かれていくのでしょう。

◎微笑みは,宝物ですね。

今日からみんなで取り組みませんか,ほほえみの挨拶を。

 

学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫