2016/12/22
2016年12月22日(木)
Christmasのころになると口ずさみたくなり,先輩の姿を偲ぶ曲があります。
彼は,40年前の夏,帰らぬ人となりました。彼はギターを弾きながら,フォークソングミサの指導がとても上手でした。そしてこんな歌を歌ってくれました。
『遠い世界に』のメロディーにものの見事に合うのです。教会の青年会でギターを弾きながらよく歌ったものです。おそらく「翼をください」とともに1970年代もっとも人気のあったフォークソングではなかったかと思います。
『マリアさまのうた』
昔、ユダヤの小さな村に、瞳の澄んだ、心のきれいな 乙女が一人住んでいました。
その名はマリア、貧しいけれども、希望を胸に、明日(あす)を見つめて
いつも神をたたえていました。
ある日、一人の天使が告げた 「幸せ者よ、あなたはきっと、救い主の母となるでしょう。
喜べ、マリア、生まれでる子は 愛と平和をこの世にもたらす
神の御子(おんこ)、イエスキリスト」
霊に満たされ、マリアは歌う。「私は神をたたえ敬う。神は、弱い私を選び
偉大なことをなさいました。」
これから後(のち)の人は言うでしょう、 マリアさまは幸せ者と。
『遠い世界に』 五つの赤い風船 1967年結成、1972年解散。
数多くのヒットを出し、若者に絶大な人気を得たグループ。
小学校のChristmas pageantではキリスト降誕の場面が聖書に忠実に見事に再現されていました。児童の記憶の中に,お告げの場面から始まり救い主の誕生,そして羊飼いと東方の博士たちがキリストのもとに集まった意図も理解できた荘厳なpageantでした。
幼稚園,そして小学校と引き継がれてきたこの聖劇は中学高校のCHRISTMAS TABLEAUX で賢明学院の待降節のクライマックスを迎えました。英語での聖書朗読,天使の演出,照明・音響調整,大道具意匠,衣装等々必要なすべての担当を生徒が担います。ハンドベルの演奏もバイオリンの演奏もすべてが生徒によって,生徒と共に,生徒たちによって演出されハレルヤの大合唱で幕を閉じる見事な救い主イエス・キリストの誕生の物語です。
誰が観ても素晴らしいと称賛を浴びるできばえでした。これからTABLEAUXは,賢明学院の真の伝統的行事と成長していくことでしょう。
TABLEAUXでは幼稚園・小学校では演出されなかった聖ヨセフの苦悩の場面が演出されています。男として,結婚前に身ごもった女性を迎え入れるべきか,ひそかに婚約を解消すべきなのか・・・・・。
ヨセフは苦悩します。
(マタイ福音書1章18節~)
主の使が夢に現れて言った、「ダビデの子ヨセフよ、心配しないでマリヤを妻として迎えるがよい。その胎内に宿っているものは聖霊によるのである。21.彼女は男の子を産むであろう。その名をイエスと名づけなさい。彼はおのれの民をそのもろもろの罪から救う者となるからである」。 22.すべてこれらのことが起ったのは、主が預言者によって言われたことの成就するためである。すなわち、
23.「見よ、おとめがみごもって男の子を産むであろう。その名はインマヌエルと呼ばれるであろう」。
これは、「神われらと共にいます」という意味である。
24.ヨセフは眠りからさめた後に、主の使が命じたとおりに、マリヤを妻に迎えた。
この場面が加えられていることで,イエス降誕の場面に深みが増しているように思う,人間性を象徴するヨセフの苦悩が演出を引き立たせていた。その苦悩があるからこそ,潔さ・義の人としてのヨセフの姿が勇ましく感じる。さすが中学高校生の演じるCHRISTMAS TABLEAUX であった。来年はこの素晴らしさを一人でも多くの人と分かち合いたいと願います。
学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫