優しい心を育むカトリック教育

2017/05/30

千差万別

2017年5月30日(火)

 

読書の合間に久しぶりにテレビを見た。私の青春時代の名優が次々と登場する。年齢的には私に近い設定で,話の展開も早く,休み中に見るにはもってこいの面白おかしい内容だ。題名は何かな?誰の作品か?と新聞のテレビ欄を見てみると懐かしい脚本家の名前があった。脚本家・倉本聰(本名:山谷 馨 やまや かおる)氏が自ら企画し,脚本を手がけたドラマ「La Strada」とわかった。

 

老人ホームを舞台にした、月~金曜の昼に放映される20分間の帯ドラマで,テレビ界に貢献した人だけが入れる老人ホーム「La Strada」を舞台にして様々な騒動が起こる。認知症の妻を亡くしたシナリオライターの菊村栄(石坂浩二)が入居すると,そこにはかつて一緒に作品を作ったこともある往年のスターたちが勢ぞろいしている。ゆっくり余生を過ごすはずだった菊村は、様々な騒動に巻き込まれていく。Storyも楽しいが,出演者が知っている人ばかりというのも興味注がれた理由の一つだ。

 

最近の俳優は名前も顔も一致しないが,このドラマに出演している往年の女優や俳優の名前と顔が一致することが,また嬉しい。ちなみに,次の俳優の名前を聞いて顔や出演していたドラマが思い浮かぶ人は,60歳以上なのだろうか。石坂浩二・浅丘ルリ子・有馬稲子・加賀まりこ・草刈民代・五月みどり・常盤貴子・名高達男・野際陽子・藤 竜也・風吹ジュン・松岡茉優・ミッキー・カーチス・八千草薫・山本 圭等 et cetera

 

好きな俳優や作家、好きな作品を持っている事はいい事だと思う。演劇であれ,音楽であれ,好きになる事で人生に大きな糧をもたらしてくれる事がある。なかでも本を読むことは,とてもいいと思える。その作家が過ごした時間と持つ知識,また経験や生き様等を文字で表現し,読者に伝えてくる。読書を通して作者の持っているものに触れ理解を進める醍醐味と,こう言いたいのだろうと独断と偏見で決めたり,この先の展開を独自に予想したりする事も楽しいものだ。

 

さて,本を読む習慣はいつごろ我々の身に着いたのだろう。習慣として本を読む人もいれば,思い出したように読む人,休日を楽しみにしてゆっくりのんびり読む人等,読書スタイルはいろいろあり千差万別と言える。読書の習慣は,いつどのようにして身に着くのだろう。本との出会いは,いつ始まるのだろう。何がきっかけで本を読むようになるのだろう。自分のことでも,明確なきっかけの記憶はうろ覚えだ。俳優の好き嫌いも,好きな作家や好みの音楽も人それぞれであり,千差万別だ。千差万別だからこそ,同じ趣味の人とは意気投合する事もあるのだろう。

 

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私は,倉本聡が1984年に私財を投じて設立した私塾「富良野塾」を開塾するときの富良野塾開塾起草文が好きだ。皆さんはいかがですか。

 

あなたは文明に麻痺していませんか。

車と足はどっちが大事ですか。

石油と水はどっちが大事ですか。

知識と知恵はどっちが大事ですか。

理屈と行動はどっちが大事ですか。

批判と創造はどっちが大事ですか。

あなたは感動を忘れていませんか。

あなたは結局何のかのと云いながら、わが世の春を謳歌していませんか。

 

学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫