優しい心を育むカトリック教育

2017/07/06

ねがい

 

2017年7月6日 

 

大阪の中心地,上本町駅から北へ五分ほど歩くと,東側に立派な構えのお寺がある。この季節になると寺門に竹笹が取り付けられ,美しい短冊と筆記用具が置かれる。道行く人が自由に願いを短冊にしたためて,竹笹に取り付けていく。大阪市の中心に何とも雅びな事をなさるご住職がおられたものだ。

 

短冊には『ママが,もっとやさしくなりますように』と書かれていた。もっとだから現在も優しいのだろう。しかし子どもの目線から見ると,ママはもっともっと優しい方がいいのだろう。親の気持ちからすれば,自分の子どもはもっと勉強ができてほしい,親よりもっと賢くなってほしい,親よりもっと偉大になってほしいと,子どもへの期待と願いが,次々欲となって湧き上がってくる。

 

人は自分をどこかにおいて,相手に対して常に『もっと』と,願っているものだ。しかし願いが達せられないと,どうなるのだろうか。諦めるのか,それとも怒るのか・・・・・

 

相手に対する優しさを持ち合わせていれば,願いを達成できない相手をゆるす事が出来るのではないだろうか。幼子の短冊にしたためられた願いの根底には,ゆるしの思いが込められているのだろうか。

 

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皆さん,今年の七夕の日に込められる願いは何ですか。

 

大阪新四十八願所阿弥陀巡礼 / 第23番「天性寺」(てんしょうじ)

 (所在地) 大阪市天王寺区上本町4丁目228

寺院・諸堂来歴

 

天正3年(15755月,大和當麻寺の僧眼誉道三上人が創建。慶長年間の寺町編成に際して北河内から現在地に移転したと伝わる。現在も北河内に多くの檀家を擁し,かつて遠路参拝の信徒が境内の大松を目当てに歩いたところから,「松の寺」と呼ばれていた。文化3年(1806)火災で堂宇を焼失,同5年再建。昭和20年(1945)大阪大空襲で大松ともども,山門以外の堂宇を焼失。昭和40年(1965)近代建築の粋(すい)を結集した現在の本堂・庫裏(くり)を再建した。

 

『さき出(いづ)る 花の木(こ)ずゑを そのままに 三世(さんぜ)のほとけの たむけとやせん』

 

咲きほこる花の梢を,そのまま

〔過去・現在・未来の〕三世(さんぜ)にまします,すべての仏への供養と致しましょうか。

 

学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫