優しい心を育むカトリック教育

2017/07/28

夏休み

 

2017年7月28日 

 

「夏休み」この言葉の響きには夢と希望を含む特別な意味を持っていると感じる。

 

私の小学校時代は,父親の仕事が忙しく,夏休みに家族旅行をした経験もないし,家族で特別なことをした記憶もない。しかし当時のほとんどの家庭は,こんなものだったと思う。日帰りの海水浴程度が,家族での夏の楽しみだったのではないだろうか。当然その頃は,会社勤めの人たちには,今のような長期の夏休みはなかった。

 

休みに入ると,あっという間に七月が終わり,八月がやってくる。そして高校野球が終わったら宿題に取り掛かろうという決心を,小学校の頃から毎年繰り返した。この悪習は,長い間続いていたような気がするが,さすがに中学生になってからは,このような悪習慣から脱しようと努力していたと思う。毎年,8月末には山のような宿題を前にして,半分自暴自棄になりながら,しかも姉や両親に叱られながら,宿題をこなしたように記憶している。ただ一つ褒められることがあるとすれば,時間のかかる図工の宿題や読書感想文は,前もってきちんとこなしていたことだ。

 

gakuintyo-20170728

 

数年前の引っ越しの際,押し入れの片づけをしていると,なんと両親が大切に保管していた何十年も前の姉の図工の作品や感想文,そして私の夏の宿題が出てきた。「夏休みの友」と題された冊子は懐かしい冊子であった。毎日の気温と天気・絵日記,そして12ページほどの量で各科目の宿題が編集されている。めくっていると,入道雲と真っ青な空,庭で鳴く強烈な蝉の声など,懐かしい思い出がよみがえってきた。最初の頁には毎日の天候の記録をつけることになっていた。それを見て驚いた。夏休み中の最高気温は,29度と記録されている。そういえば涼しい朝の間に,勉強させられたものだ。私の子どもの頃,朝は涼しかったのだ。夕方には庭に水をまき,縁側で涼んでいたものだ。

 

他の年の記録を見ても,30度を超えている日は一日か二日程度だ。最近の3536度という気温は,いったい何を示しているのだろう。これは明らかに地球上の温度が,上昇している証拠だ。雨の降り方も,夕立という状態ではなく,スコールに近い滝のような雨だ。人類が,何とかして地球を大切にしないと,異常気象はますます激しさを増すのではないだろうか。みんなで、みんなの地球を大切にしませんかと呼びかけたい。温暖化防止に一人ひとりの取り組みは微力でも,やらないわけにはいかないと思う。青い空・白い入道雲・朝夕は涼しかった夏休みを,子どもたちに残したい。

 

国連は1212日夜、歴史的な「パリ協定」を採択したと報じられた。

 

国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)は,将来の世代に地球を守るために不可欠で、野心的で現実的な合意と評価した。開催国フランスのフランソワ・オランド大統領は、最終草案が発表される直前に「地球のための重大な成果がここにある」と述べた。目標に遠くてもこの合意が歴史的だということを否定する人はいない。今回初めて、世界中の先進国と発展途上国が、気候変動を食い止めるために行動することで合意した。二酸化炭素などの温室効果ガス排出を抑制し、海水面の上昇、旱魃(干ばつ)や砂漠化、食糧不足など、気候変動の影響を食い止めるために助け合うことになった。

 

パリ協定は、気温の上昇を産業革命前より「2度よりかなり低く」抑えると枠をはめた。世界的に求められる水準の「ようやく半分程度」である。国や企業だけに任せずに,私たちも身近なことから始めませんか。地球をなくさないために・・・。

 

家庭でできる温暖化防止

1)出すゴミの量を減らす。

2)瓶など繰り返し使えるものを処理しやいように分別して出す。

3)リサイクル商品を優先して購入する。

4)過剰包装などを断る。

5)エコバッグ持参でレジ袋を断る。

 

まず,みんなで取り組むことが大切です。この8月,一人でも多くの人に勧めましょう。

「温暖化防止大作戦」を・・・。

祇園祭も天神祭りもごみなし大作戦を実施した。賢明の皆さんも堺の皆さんも実行しましょう。

 

学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫