優しい心を育むカトリック教育

2017/08/15

今日までそして明日から

 

2017年8月15日 

 

受験のための勉強は,夏休みがピークだ。それぞれの人生において内容は異なるが,入学試験は皆が経験するものだ。受験対策など対応方法も目まぐるしく変わってきた。共通試験制度の導入からセンター試験制度へと変化し,今後は記述方式が,再度復活の兆しを見せている。受験制度だけではなく,時間と共にさまざまな制度も変化していくものだ。私自身も受験生側から,試験を実施する側に変わった。受験する者にとって,入学試験は今も昔も大なり小なり,圧迫感があるものだ。2020年にはさらに新しい大学入試制度の導入が始まるが,入試というものが存在する限り,受験者にとってなんとも言えない圧迫感はなくならないのだろう。

 

1970年代は,一般家庭にクーラーはまだまだ普及していなかった。学校の各教室にも,クーラーはほとんど取り付けられてはいなかった。受験勉強は,早朝か深夜の涼しくなった時間帯に取り組んでいたものだ。そして大学入学後は,学生運動も一時の勢いは消え去り,デモも激減していた。国際社会ではベトナム戦争が終わり,世の中全体が今までと違う方向をぼんやりと見定めながら変化していった。

 

ジーパンと称するものが学生の服装として一般化してきて,男性のLonghairが珍しくない時代だった。Beatlesの来日以降Groupsoundsがいたるところで結成され,テレビをつければどこの局でも各々のGroupの楽曲が流れていた。巷では,Folksongが若者の意思と時代を象徴していて,Rockと称される分野の音楽も,浸透していっている時代背景であった。人生とは何かを議論したり,人生の意義を感じたり,あれやこれやを考え始めるのが青春時代ではないかと思う。見えるものの全てが歪んで見え,自分だけが何かと不平等を感じるのも青春であろう。

 

昔も今も若者は,悩みながら,自問自答しながら成長していくものだ。高校生諸君,悩んでみよう。議論してみよう。真理が見える時が,必ずやってくるはずだ。

 

青春時代の入り口にいる皆さんに,作詞/作曲 吉田拓郎の『わたしは今日まで生きてみました』という曲の歌詞を紹介したい。人生を考える機会となるのではないだろうか。

 

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わたしは今日まで生きてみました  時にはだれかの力をかりて  時にはだれかにしがみついて

わたしは今日まで生きてみました  そして今 わたしは思っています

明日からも  こうして生きて行くだろうと

 

わたしは今日まで生きてみました  時にはだれかをあざ笑って  時にはだれかにおびやかされて

わたしは今日まで生きてみました  そして今 わたしは思っています

明日からも  こうして生きて行くだろうと

 

わたしは今日まで生きてみました  時にはだれかにうらぎられて  時にはだれかと手をとりあって

わたしは今日まで生きてみました  そして今 わたしは思っています

明日からも  こうして生きて行くだろうと

 

わたしにはわたしの生き方がある  それはおそらく自分というものを  知るところから始まるものでしょう

 

けれど それにしたって  どこで どう変ってしまうか  そうです わからないまま生きてゆく

明日からの そんなわたしです  わたしは今日まで生きてみました

わたしは今日まで生きてみました  わたしは今日まで生きてみました

 

わたしは今日まで生きてみました  そして今 わたしは思っています

明日からも  こうして生きて行くだろうと

 

1971年(昭和46年)

 

学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫