2017/10/16
知らぬ間に,世の中は変わっていく。知らぬ間に変わることに,人は慣れっこになっているのだろうか。
「10月から暮らしはこう変わる」という記事を見つけた。こんなのいつ決まったんだ,という記事が目立つ。
新聞やテレビのニュースに不注意だったのだろうか・・・・・。国民の意見は,政治家の言動に完全に反映されているのだろうか。変化を強いられる機会だからこそ考えてみたい「移ろい」だ。
・年金受給資格の期間の短縮による新受給者に支給開始
・厚生年金の保険料引き上げ
・医療療養病床の入院患者の光熱費負担拡大
・育児休業が最長二年に
・最低賃金引き上げ
・個人向けの宅配便の料金値上げ
・ばれいしょでんぷん値上げ
・訪日客の免税制度を拡充
※連鎖の値上げは,まだまだこれからだろうと怯える。
見出しだけで納得する変更もあるが,何故だ,誰がいつどこでどうやって決めたんだと,怒りに似た感情が沸き起こる移ろいもある。社会組織が拡大していくと業務が分担され,任された部署が突き進む。気が付くと組織員には知らされないまま決定していくことが,多々あるのだろう。政治家は,属していた組織を解散し,新たな編成へと進む。国家という組織は,このようにして「移ろい」に維持されて来たのだろうか。
そういえば,選手の意見より国の意図が優先され,オリンピックへの参加をボイコットしなければならないこともあった。オリンピックをめざし,日々苦しいトレーニングに耐え,人生のすべてをオリンピックの為に捧げてきた若者たちの意見は,ボイコット決定には反映されなかった。学生の紛争を理由に,某大学の入試が中止された年もあった。大学側に,受験生の意見など聞く気配もなかった。この中止によるしわ寄せは,当時の大学受験生全てに及び,そして次年度にまでも影響したことが,受験者数の数字として結果的に残っている。
間もなく,現在の大学入試制度も変わる。これに関して,受験生の意見を聞く政治家はいないのだろうか。選挙権を持たない若者たちの未来を,老人たちが変えていく。この歴史構造が,古代より変わることなく続いているのは確かだ。戦争に突入するかしないかを決めるのは,戦場に赴く若い世代ではなく,老人たちだった。選挙権を若い世代に拡大するだけではなく,未来に生きる若者の声を,いつになったら真摯に受け止め,受け入れることが出来るのだろう。「どうせ一票でしょ。」「かわらないですよ。」という自虐的な考えから,組織の一員なのだ,未来を考えるべきなんだという前向きな思考で,区から市へ,市から府県都へ,そして国へと拡大していって,さらに世界規模まで考えを広げる。そして,未来社会の建設に取り組むことを実行していかないと,世界はまた悲劇を引き起こすかもしれないと憂えてしまうのは,すでに老齢に達したからだろうか。
幼い子の人格を尊重する姿勢を,今の若者たちにも教え,伝え,導かないといけない。こういう教育こそが必要で,この考えこそ,若者に向かって,先生たちに雄弁に語って欲しい。
思慮ある者は,過去の出来事によりて,現在を判断す。
Sophoklēs
生誕 前496頃
帰天 前406頃
ソフォクレス(ソポクレス)古代ギリシアの三大悲劇詩人の一人として知られる。アテナイ(ギリシャの首都アテネの古名)の悲劇作家。ギリシア悲劇というジャンルを完成させている。123編の悲劇を書いたとされているが,全文が現存しているのは7編のみ。絶対なる運命(神々)に翻弄されながらも、悲壮に立ち向かう人間を描いた作品が多いのが特長。特に代表作でもある「オイディプス王」はギリシャ悲劇中の珠玉とされており,西洋文学や心理学に大きな影響を与えている作品として著名。
『アイアス』 Aias,『アンチゴネ』 Antigonē ,『オイディプス王』 Oidipous Tyrannos ,『トラキニアイ』 Trāchīniai,『エレクトラ』 Ēlektra ,『フィロクテテス』 Philoktētēs ,『コロノスのオイディプス』 Oidipous epi Kolōnōi 『イクネウタイ』 Ichneutaiの大断片もある。
学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫