優しい心を育むカトリック教育

2017/12/18

平和

フランシスコと呼ばれている友人から,クリスマスカードが届いた。例年,待降節の始まりとほとんど同時に彼からのカードが届くので,このクリスマスカードを見ると,「Christmasの準備を始めないと」と,気付かされる印しとしていた。ところが今年は,Christmasぎりぎりに届いた。相変わらず,アルファベットの識別ができないほどの達筆で,英語とイタリア語がミックスされている。本人は結構日本語が話せるのだから,日本語で書けばいいのにと思いつつ,楽しみながら読んでいくと,カードの片隅に平仮名で「めるみろ」と書いてあった。

 

何の意味か分からず,暫くほったらかしにしておくと,SMSでメールが来た。彼からだ。開いてみたが,何語かさっぱりわからないメールだった。イタリア語でも英語でもフランス語でもポルトガル語でもない。文字化けかとも思った。知っている単語が,一つも見当たらない。しかし不思議なもので,ちょっと間を置くとすらすら解読できた。これがなんとローマ字表記なのだ。そういえば彼の国では,平仮名や漢字のソフトはスマートフォンにはないのだろう。「Buon Natale ! KARD MERU NISHIMASU YOMUDAKA ANATAHA CARD OKULU」わかった! メールの返信がないので,カードでも送ってくれたのだろう。届いていたのかなと,メールチェックをした。メールには,平和の歌がつづられていた。Christmasをこのように迎えなさいとの彼の粋なメッセージだった。

 

最近,海外からの仕事紹介依頼のメールが頻繁に届くので,送信者が日本人以外だと見もしないで,ごみ箱に入れていたのだ。悪いことをしたと,反省させられた。しかし確かめもせず,迷惑分類してしまっていたことを詫びる手だても思いつかないまま,今日に至っている。これは今年一番の,反省でもある。

 

カードを贈る機会が少ない日本人も,最近は様々なカードを贈るようになったと思う。カードがメールと一味違うのは,封を切る時の期待感や,カードの厚さとその感触にもあり、そして中を開いたとき目に入ってくる温かさのある直筆の文字はとてもいいものだ。その人の思いが,短い文章からじわじわと伝わって来る。最近,絵手紙が流行っているのも,人の温かさが絵や言葉から伝わるからだろう。

 

短い言葉で思いを伝えられるような、ちょっと粋な人になれればと思う。

 

gakuintyo-20171218

 

SHALOM

Shalom chaverim, shalom chaverim, Shalom, shalom

L'hit-rah-oat, L'hit-rah-oat  Shalom, shalom

Shalom 神様がいつもいっしょにいてくださる  Shalomだから平和  

Shalom 旅立ちの時  Shalom祈りをこめて  Shalomあなたにおくる  

Shalom 神の平和

 

ヘブル語の意味「平和」(シャローム)

SHALOMは、旧約では237回、詩篇では27回、詩篇119篇では1回使われています。SHALOMは、現代のイスラエルにおいては日常の挨拶―「こんにちは」、「さようなら」―として使われています。

ヘブル語のシャロームの本来の意味は、単に争いのない平和な状態を表わすだけでなく、力と生命に溢れた動的な状態をいいます。平和・平安・繁栄・健康・充足・知恵・救い・勝利 。

「シャローム」(豊かで溢れるほどの祝福があるように。

 

学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫