2018/01/20
賢明学院のチャペルは1980年奉献会によって建てられました。
このチャペルは,祭壇に向って参列者の心と体が,正対するように設計されています。中央から少し左に,曲線を多用して掲げられている十字架は,祈りに訪れた人の心を優しく見守ります。保護者の方々の力によってたてられたこの小さなチャペルは,左右に大きく開口された五面の窓を持ち,そこにはチャペル全体を温かく包み込む色ガラスが,入れられています。そしてこの色ガラスが嵌め込まれた五面の窓は,卒業していった賢明学院の全ての子どもたちの,心のよりどころとなっています。
このチャペルが,さらに園児・児童・生徒たちの安らぎの場,憩いの場となる様に四年計画で変わります。開口部五か所の窓を,高校三年生の卒業記念としてステンドグラスに入れ替え,創立65周年を迎える記念事業の一つとして位置付けます。
【2017年 二連の大窓】
12月26日聖人ステファノの記念日に,第46期生の卒業記念として入れ替えました。
青空にはばたく平和の象徴としての鳩,高貴さと純潔さを表す百合の花,賢明の精神を学び続ける生徒の姿としての羊が描かれています。
【2018年~2019年 正面の左右】
中央には祈りをささげる天使,上部には実るブドウと葉が描かれ,下部には麦と壮大な大地が描かれます。
大小優しい彩りで描かれている円は,未来への希望を表します。賢明学院で学んだこと,培ったことを内に秘め,大きな希望を持って,大空へ飛翔する卒業生の未来を象徴しています。
【2020年 左の窓】
一連のステンドグラスが表す,賢明生が大切にしてほしい精神の完成を表すために,生涯忘れないでほしい建学の精神を意味して,聖書と十字架が描かれます。
共通して描かれているブドウの葉とブドウの実
「わたしはぶどうの木で,あなたがたは枝です」(ヨハネ福音書15章) イエスの教えからから離れず聖書のことばに従い,そこから離れない事を意味します。 私たちがイエスにとどまり,イエスが私たちの中にとどまるなら,「多くの実」を結ぶという事を意味します。「多くの実」を結ぶと言う意味は,人と人のつながり絆を意図しています。私たちの人生で人と人のつながりの豊かな実を結ぶことができたら,それはすばらしいことではないでしょうか。神がぶどうの木で,わたしたちはその枝であるという事は,実を結ぶためには,枝だけでは不可能であり,ぶどうの木から離れてしまっては,実を結ぶどころか枯れてしまうことを示唆しています。多くの実を結んでもそれはブドウの木があればこそと,自信を諭すことが出来る謙虚さもこのステンドグラスは表現しています。
描かれているブドウの葉は,写実的な葉ではなくこれから成長していく若葉をイメージして描かれていますが,若葉でありながらも実はしっかりと実らせている賢明生の姿を象徴しています。
学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫