2018/02/13
賢明学院高等学校第46期生の卒業記念品として,寄贈されることとなった一連のステンドグラス絵巻は,昨年度から聖書のMESSAGEを題材として,2020年度の卒業生までの四年間で完結する。今年巣立ちゆく47期生が残してくれるのは,絵巻の第二弾,「天使」が主題となり卒業生の願いともいえる後輩への伝道は,祭壇の右横に天使としてあらわされる。
聖書の中で,天使が登場する場面として生徒たちに馴染みがあるのは,マリアに受胎告知の為に訪れる大天使ガブリエル,そして,イエスの誕生を羊飼いたちに知らせた天使たち,またイエスの復活をマグダラのマリアたちに知らせた天使などである。聖書では,良い知らせを伝える御使いとして,天使は描かれている。そして天使たちは,進むべき道を示してくれる存在となっている。このステンドグラスの「天使」を見るたびに,在校生たちが真理の道を目指してくれることを願う。
連続するSTAINED GLASS絵巻の主題は,主に倣うものとして聖書のテサロニケの信徒への手紙一の1章2~4節より設定された。
「わたしたちは,祈りの度に,あなたがたのことを思い起こして,あなたがた一同のことをいつも神に感謝しています。あなたがたが信仰によって働き,愛のために労苦し、また,わたしたちの主イエス・キリストに対する,希望を持って忍耐していることを,わたしたちは絶えず父である神の御前で心に留めているのです。神に愛されている兄弟たち,あなたがたが神から選ばれたことを,わたしたちは知っています。」
信仰は,神との出会いから生まれる。私たちが愛するより先に,神は私たちを「愛」してくださる。神は私たちを愛してくださり,そして神がすべてを受け入れてくださっている。神を信頼することが「信仰」だ。すべてを受け入れてくださる神との出会いの確信が,信仰と言える。「希望」とは,欲しいものを願い求めることではない。わたしたちは希望に引き寄せられ,この希望に導かれて生きていくのだ。希望は,人生の途上で傷ついても,そこで忍耐を生み出す力があり,進むべき方向性を示してくれる。チャペルに設置される天使のステンドグラスは,この天使に出会うすべての人に,希望の光をそそぎ与え続ける。
天使のそばに,大小の円が描かれている。この円に託された思いは,人としての円熟を意味し,穏やかさ・円満・希望を意味している。一人ひとりが,学院で学んだことを,実社会で実現する意志を表している。
本の紹介 『聖書のなかの天使たち』文:メアリー・ジョスリン 絵:エレナ・テンポリン
定価:本体1,700円
女子パウロ会 発行
旧約聖書では,エデンの園を守る天使,ヤコブと戦った天使,炎の中でシャドラク,メシャク,アドベ・ネゴと共にいた天使などです。新約聖書では,マリアを訪れた大天使ガブリエル,そして,イエスの誕生を羊飼いたちに知らせ,イエスの復活をマグダラのマリアたちに知らせたのも天使でした。子どもたちが喜ぶ,聖書の中の天使のお話が,お祈りとともに一冊の本になりました。美しく,やさしいタッチの,心温まるイラストが,天使の恵みとお話のすばらしさをより引き立たせてくれます。子どもだけではなく,祈りの本として大人の方にお勧めしたい絵本です。
学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫