2018/03/01
年度の締め括りの,最後の月が訪れた。行ってしまった一月,逃げてしまった二月,そして今「去ってしまう三月」が来た。
この三月というまとめの時期にふり返って見ると,一年は途切れることのない繋がりの中で全てが営まれ,それが明日へと引き継がれながら,一年という積み重ねられた時間が今,閉じられようとしている。
2月28日の全日制の高等学校に始まる賢明学院の巣立ちの時は,3月4日の通信制の卒業式,9日の小学校の卒業式を経て,14日の幼稚園の卒園式へと続いて行く。
子どもたちと別れることは悲しいが,この賢明学院でのさまざまな思い出の出来事が,巣立ちゆく姿に走馬灯のように重なり,万感の情が湧き,胸に熱いものがこみあげてくる。巣立ちゆく子どもたちに,最後に贈る言葉は何が相応しいのだろう。
別れの時に,長くは語れない。1秒ほどの言葉に,今までの思いを全て込めて・・・・・・。
『一秒の言葉』小泉吉宏
「はじめまして」 この一秒ほどの短い言葉に 一生のときめきを感じることがある
「ありがとう」 この一秒ほどの言葉に 人のやさしさを知ることがある
「がんばって」 この一秒ほどの言葉で 勇気がよみがえってくることがある
「おめでとう」 この一秒ほどの言葉で 幸せにあふれることがある
「ごめんなさい」 この一秒ほどの短い言葉に 人の弱さをみることがある
「さようなら」 この一秒ほどの短い言葉が 一生の別れになるときがある
一秒に喜び,一秒に泣く。一生懸命,一秒。
短い言葉の後ろに私たちは語り尽くせない情を抱き,感じ,そしてそれを相手に,伝えようとしているのではないだろうか。言葉って大切なものだと,心から思う。
小泉 吉宏(こいずみ よしひろ)
生誕 1953年 日本の漫画家,絵本作家,コピーライタ-。
『ブッタとシッタカブッタ 心の運転マニュアル本』(メディアファクトリー)
『ブッタとシッタカブッタ1 こたえはボクにある』(メディアファクトリー)
『トントンな日々』(幻冬舎 2010) その他多数
絵本
バースデーイヴ(幻冬舎)
コブタの気持ちもわかってよ(ベネッセコーポレーション)
以上作品の一部紹介
学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫