2018/03/19
教会の典礼は,キリストの生涯の主な出来事を記念することによって,私たちがキリストの救いの恵みにあずかるようにしている。
キリストの生涯の救いのわざの中心は,受難と死を通して復活の栄光を現す「主の過越(すぎこし)」にあるので,「主の過越」を記念する復活祭が,キリスト教徒の間で年に一度盛大に祝われるようになった。主の復活の日を迎える為に,「聖なる三日間」は特に大切にされ,「受難の主日(枝の主日)」に始まる一週間は「聖週間」と呼ばれている。
印象深い映画に,メル・ギブソン監督の『パッション』がある。この映画はキリストを描いた物語で,「ゲッセマネ」(Gethsemane)の祈りの場面から始まる。苦悩に満ちたキリストの描き方が,特に印象に残る映画だ。キリストのこの苦悩は,回避することができたかもしれない。しかし,回避の道を選ばずに,み旨のままに生きるキリストの姿に,何かしら感動を覚えたものだ。
イエスは,ペテロたち3人の弟子たちを伴い,エルサレム神殿の東のケデロンの谷を渡り,オリーブ山のふもとに行く。イエスは悲しみもだえて,ゲッセマネの園で十字架刑を受けることの苦悩を祈る。十字架での死を「杯」と呼んで,できれば回避したいと祈りながら,神のみ旨を求めている。三度祈った後にイエスは決心し,自ら逮捕されるために進んでいく場面が心に残る。
現在,オリーブ山の西麓の,イエスが祈ったと言われている場所に,フランシスコ会の教会がある。そして教会の敷地内に,ゲッセマネの園がある。4世紀後半に教会の跡が発掘された時から,この場所がゲッセマネの園であると言われている。この園から100mほど離れた所にある洞窟が,イエス捕縛の位置であると言われている。
2018年の聖週間の典礼
【受難の主日(枝の主日)】 3月25日(日)
主キリストのエルサレム入城を記念する日
【聖木曜日】3月29日(木) 主の晩餐の典礼(ミサ)
「最後の晩餐」を記念して行われるミサ
キリストが弟子たちの足を洗ったことに従い,ミサの中で[洗足式]が行われる。
【聖金曜日】3月30日(金) 主の受難の典礼
キリストの十字架上での受難と死を記念する日
【聖土曜日】3月31日(土) 復活徹夜祭
翌日曜日にかけて,「主の復活」を祝う。ミサの始めに「復活の大ろうそく」の祝福・点火式を行い,典礼の中で[洗礼式]が行われる。
【復活の主日】(イースター)4月1日(日)
学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫