優しい心を育むカトリック教育

2018/08/21

 

海外のガイドブックには,日本は春・夏・秋・冬の「四季」があり,春は桜,秋は紅葉と,風情ある自然の移り変わりのある,魅力あふれる国ですと,紹介されている。祇園や先斗町の花街のそぞろ歩き,そして神社仏閣を観光している海外からのお客様は,この日本の夏の暑さを知って来日されたのだろうか。5月の連休明けには半袖姿が目立ち始める気候となり,7月に入るとスコールのような雨が降り,所によっては冠水し,月半ばから8月にかけては,危険と言われる暑さに見舞われた日本各地。危険な暑さに対応して,外出を控えている住民に対して,海外からの観光客は未経験の暑さの中で,神社仏閣を巡っておられる。10月まで半袖で過ごせるようになった日本は,温帯気候から亜熱帯気候に変わったのではないだろうか。この異常な暑さが人為的なものであれば,原因を突きとめ,日本人全員が,また地球人全員が一丸となって,原因解明の為に具体行動をするべきだとつくづく感じた,今年の暑さだった。

 

しかし猛暑の中,甲子園で戦っていた選手の姿には,暑い暑いとぼやく凡人にはない,強い意志と情熱を感じた。二度とはない真剣な戦いに,選手も応援席も,最高の姿で臨んでいた。暑さをものともせず,グランドを踏みしめ,渾身の力を出し活躍する彼らの姿に感動し,酷暑も吹っ飛んでいくような,100回記念大会が開催された夏でもあった。

 

暦の上では23日に処暑を迎え,朝夕に初秋の気配が感じられると言われる頃になった。しかし,まだまだ残暑厳しき折,今日の気温は30℃と聞くと「あぁ今日は涼しいな」と思うのは,体温以上の気温に身体が慣れてしまったからだろうか。果たして,四季の移り変わりがあった頃の日本に戻るのだろうか。

 

『君たち。君たちはつねに晴れあがった空のように、たかだかとした心を持たねばならない。

同時に、ずっしりとたくましい足どりで、大地をふみしめつつ歩かねばならない。』

 

司馬遼太郎(しばりょうたろう)

生誕  1923(大正12)8月7日大阪市生まれ。

帰天  1996 (平成8) 2月12日

大阪外国語学校蒙古語部(のち大阪外大、現大阪大学外国語学部)卒業。

1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。

1966 年(昭和41)の『竜馬がゆく』『国盗り物語』による菊池寛賞はじめ、多くの賞を受賞。

『坂の上の雲』『翔ぶが如く』『花神』『関ヶ原』『功名が辻』『峠』『菜の花の沖』『街道をゆく』『この国のかたち』『風塵抄』などの作品多数。

 

先生の本でぜひ読んでほしい本があります。それは,「二十一世紀に生きる君たちへ」と言う題で小学6年生の教科書に掲載されました。人間として自然とどのように向かい合うべきかが,明快に書かれ私たちの歩むべき道を示してくださっています。

 

学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫