優しい心を育むカトリック教育

2018/08/28

世界平和

【太字は,第51回「世界平和の日」の教皇メッセージ(2018.1.1)より抜粋】

 

今,移住者と難民は,世界中に2億5千万人以上と言われている。彼らを侵略者と捉えてはいけない。『移住者と難民は「平和のうちに過ごすべき場所を求める,男性,女性,子ども,若者,高齢者です」彼らの多くは平和を見いだすために,いのちをかける覚悟で旅に出ます。その旅は多くの場合,長く険しいものです。そして彼らは苦しみと疲れに見舞われ,目的地から彼らを遠ざけるために建てられた鉄条網や壁に直面します。』

 

世界大戦が終わった後も,内戦や冷戦・核爆弾の開発など,平和とほど遠い行為が,この地球上で繰り広げられて来ている。悲惨さを知っている私たちは,何をすべきなのだろうか。評論ではなく,具体的実践者にならなければならないのでは,ないだろうか。

 

『戦争と飢餓から逃れてきたすべての人々,差別や迫害,貧困,環境破壊のために祖国を去らざるをえないすべての人々に対して私たちは何をすべきでしょう。』

 

賢明の小学生は,自分たちと同じ年代の子が,内戦のために食べ物をなくし,苦しんでいる姿を知って「おつけ物デー」を考え,実行している。その思いは30年間絶えることなく,賢明生全員に引き継がれている。『わたしたちは,他の人々の苦しみに対して心を開くだけでは十分ではないことを自覚しています。わたしたちの兄弟姉妹が安全な家で再び平和に暮らせるようになるまでに,成すべきことはたくさんあります。他の人々を受け入れるために必要なことは,具体的な活動、援助と善意のネットワーク,注意深く思いやりにあふれるまなざし,そして責任をもって新たな複雑な状況に取り組むことです。つねに限りのある資源をめぐる問題などのさまざまな既存の問題が,多くの場合、その状況には重なり合っています。』

 

 

今,新たな動きが,賢明学院から始まってもよいのではないだろうか。こんなに多くいる難民に,まず目を向けてみよう。居ても立っても居られない感情から始まった「お漬物デー」の精神を再確認し,新たな活動が賢明学院から始まることを期待している。

 

『聖ヨハネ・パウロ二世は,避難民の増加は,20世紀の特徴である「戦争,闘争,大量虐殺,民族浄化の脅威に絶えずさらされた」結果の一つであると述べました。』

 

移民の理由

〇人々は,武力紛争や他の組織的な暴力のために,国内外への移動を余儀なくされている。

〇人々は,おもに「よりよい生活を心から求め,暗い未来への『絶望感』を打ち消す」ために移住する。

〇「環境悪化によって,ますますひどくなる貧困から逃れようとして移住する。

 

大多数の人々は正規ルートで移住しますが,とりわけ絶望のために他のルートをたどる人々もいます。母国では安全な生活もチャンスも得られず,あらゆる正規ルートは実現不能か,阻止されているか,もしくはあまりにも時間がかかるように思われるからです。

 

学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫