優しい心を育むカトリック教育

2018/10/15

ロザリオ と ルルド

南フランスのルルド(Lourdes)は,ピレネー山麓の小さい町でありながら,年間600万人もの人が訪れるカトリック最大の巡礼地です。本学院の高校生も,研修旅行としてこの地を訪れます。(その折に,世界各地からの巡礼者の行列をコントロールする役目と,マリア様の像を担い世界各国の巡礼者の先頭を導く役割を賢明学院の生徒が担当します。さらに,日本語でアヴェマリアの祈りと「あめのきさき」を日本語で歌う役割も担います。)

 

この地に世界中から巡礼者が集まるようになったのは,1858年2月11日に,ベルナデッタ・スビルー

(1844年~1879年)という14歳の貧しく無学に近い少女の前に,聖母マリアが現われたことにはじまります。

 

ルルドでは毎日,ロザリオの行列が続けられています。ロウソクを掲げながら,毎日ロザリオの祈りを唱え行列を続ける理由は,ベルナデッタにマリア様が出現なさったときにまで,さかのぼります。

 

ベルナデッタは薪を拾うために,妹のトワネットと,隣の石切り屋の娘ジャンヌと三人で,一緒に出かけました。二人は川を渡り,対岸で薪拾いをはじめたのですが,喘息で体の弱いベルナデッタは,スムーズに川を渡れず,靴を脱がずに渡れる場所をさがしていました。でも,どうしてもさがしだすことができなかったので,岩壁の下にある小さな洞窟の前で靴を脱ぎはじめました。そのとき彼女は,風のようなもの音を聞きました。音が聞こえてきた方向に,べルナデッタが顔を向けると,小さな洞窟から光が輝射し,その中に真っ白な着物を着て両手を開き,ほほえんでいる美しい女性が見えました。ベルナデッタは思わずポケットに手を入れ,ロザリオを取りだし,その場にひざまずき,この女の方の前でロザリオを唱えました。

 

 

マリア様の前で,ポケットからロザリオを取りだし,祈ったベルナデッタの姿に私たちも倣い,全世界の人々がこのルルドに集まります。巡礼者たちは,Ave Mariaの祈りと世界各国の言葉に訳されている聖歌,『あめのきさき』を歌います。「アヴェ アヴェ アヴェ マリア」の部分は世界共通ですから,各国の言葉で歌った後に,世界共通語となるマリア様を讃える言葉で歌います。肌の色が違っていても,言葉が違っていても,生活様式や価値観が違っていても,全世界が一つになるべきであると,これからの国際社会の在り方の真髄が伝わってきます。

 

『あめのきさき』      カトリック聖歌     322番

 

1 天(あめ)のきさき 天(てん)の門  うみの星と 輝きます  ※

2 百合の花と 気高くも  咲き出にし 聖きマリア        ※

3 奇(くす)しきばら 芳わしく  恵みたもう 愛のみ母     ※

4 病める人に 慰めを  恵みたまえ 愛のみ母          ※

5 行く手 示す あけの星  導きませ み母マリア        ※

6 神のみはは わが望み  今もいつも 守り給え         ※

 

※くりかえし歌う

アヴェ アヴェ アヴェ マリア   アヴェ アヴェ アヴェ マリア

 

学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫