優しい心を育むカトリック教育

2018/10/29

平和の礎

 

雨が上がり,まぶしいばかりの太陽のもと,沖縄の美しい海を背に刻銘碑の前で,児童の心がつかんだものが,言葉となって表れた。誓いと言い切る児童の心に到来した平和への希望は,戦没者を弔う火のように燃え続けていくだろう。

 

平和 の 誓い

 

賢明学院小学校 森下 宥

 

白いサンゴ礁の透き通った海,マングローブの生い茂る深い緑の森。

澄み渡る青い空と満点に輝く星空。

これらは,三年前に沖縄に訪れてから私が連想する沖縄でした。

でもその時,私はここで起きたことを何も知らなかったのです。

 

73年前,沖縄の地上戦で追い詰められ,多くの人たちが次々とその身を海に投じ、

悲惨な最後でこの世を去って行ったことを。

ひめゆり学徒隊の,私たちとあまり変わらない学生たちが戦場で命を落としたことを。

そして,きれいな海も森も空も爆撃を受けて爆風に焼かれ

真っ黒になってしまったことを。

このとても残酷で心が痛む戦争の歴史を,過去のことだと忘れたり,悲しすぎると,目を背けるのではなく,みんなが学び知るべきだと思います。

そして,未来へ伝えていかなければなりません。

 

なぜなら,たくさんの人たちの犠牲の上に、

今の平和で豊かな沖縄があるのだと思うからです。

私が連想する沖縄に,今日から「祈りの島」が加わりました。

太陽の光にあふれ,青や緑の美しいおだやかな沖縄が,

これからもずっとずっと輝きますように。

世界中の平和な時間がずっとずっと続きますようにお祈りします。

 

そして,私は歴史を学び,命の大切さを,ここにいる私の大切な仲間と共に考え,

私たちにできるよいことをこれからも実践することをここに誓います。

 

2018年10月17日

 

学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫