優しい心を育むカトリック教育

2018/12/14

聖劇「救い主の誕生物語」

待降節に,賢明学院ではイエス・キリストの誕生の場面を無言劇で表す。園児・児童・生徒たちが,イエス・キリストの誕生の場面を劇の中で再現し,祈りの時へ観衆を導いてくれる。

 

当時イスラエルは,外国の勢力が次から次へと押し寄せてきて,神殿は破壊され,祖国からは追放されるという苦しい歴史を体験していた。人々は救い主の到来を待ち望み,苦汁の日々から,この現状から解放してくれる,救い主の誕生を待ち望んでいた。

 

紀元前1000年ころ,イスラエルは,ダビデという王が支配していた。イザヤ書の「このダビデの子孫から,救い主が生まれるであろう」という預言をもとに,希望を持ちながら暮らしていた。イスラエルの人々は,このような苦渋の中においても,救い主が私たちを助けに来るという希望を,世代から世代へと伝え,主の訪れを待ち望んでいた。

 

そして,ついに,そのときが来るのだが・・・。

 

長いイスラエルの歴史の中で,人々の描き続けてきた救い主のイメージは,すべての民を支配する強い王,偉大な力に満ちた権力者のはずであった。しかし,救い主のしるしとして誕生したのは幼子で,寝かされていた場所は,王の宮殿でなく動物を飼育する小屋で,しかも餌入れの飼い葉桶の中であった。

 

 

ルカ 21節~16

そのころ,皇帝アウグストゥスから全領土の住民に,登録をせよとの勅令が出た。これは,キリニウスがシリア州の総督であったときに行われた最初の住民登録である。人々は皆,登録するためにおのおの自分の町へ旅立った。ヨセフもダビデの家に属し,その血筋であったので,ガリラヤの町ナザレから,ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上って行った。 身ごもっていた,いいなずけのマリアと一緒に登録するためである。ところが,彼らがベツレヘムにいるうちに,マリアは月が満ちて,初めての子を産み,布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。 その地方で羊飼いたちが野宿をしながら,夜通し羊の群れの番をしていた。すると,主の天使が近づき,主の栄光が周りを照らしたので,彼らは非常に恐れた。 天使は言った。 「恐れるな。わたしは,民全体に与えられる大きな喜びを告げる。 今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。 あなたがたは,布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」 すると,突然,この天使に天の大軍が加わり,神を賛美して言った。「いと高きところには栄光,神にあれ,地には平和,御心に適う人にあれ。」 天使たちが離れて天に去ったとき,羊飼いたちは,「さあ、ベツレヘムへ行こう。主が知らせてくださったその出来事を見ようではないか」と話し合った。そして急いで行って,マリアとヨセフ,また飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子を探し当てた。

 

この出来事は,二千年も前に,イスラエルの国のベトレヘムという町で起こったことであり,確かに,時代と場所を遠く隔てた私たちには,信じ難しいことかもしれない。そして,そこに居あわせた人々にとっても不思議なことだったであろう。救い主は,母マリアに抱かれ,母マリアに世話をしてもらわなければ,生きていけないような幼子としてこの世に来られたのだ。

 

『しずけき』         カトリック聖歌集111

1 静けき真夜中 貧しうまや  

神のひとり子は み母の胸に  眠りたもう やすらかに 

2 静けき真夜中 星はひかり  

羊飼いたちは うまやに急ぐ  空にひびく 天使の歌 

3 静けき真夜中 光さして  

清らにほほえむ 救いのみ子を   たたえ歌え みなともに

 

賢明学院のクリスマス

12月 8()  幼稚園      Christmas Pageant

1215()  小学校     Christmasの集い

1220()  中学高等学校  Christmas Tableau

 

学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫