優しい心を育むカトリック教育

2018/12/25

Christmasの集い

 

六年生に導かれ,小さな両手でローソクの明かりを愛おしく包みながら,一年生が入場してくる。キリストの象徴としての光を,小さな手で包む姿は,キリストが飼い葉桶に眠る姿で救い主として現れたことを,表現している。

 

この光によって,リヴィエ・ホールが聖夜となった。小学生が語り伝える救い主の誕生は,旧約聖書から始まる。神様の愛の証として創造された人間は,神の愛を理解せずに次々と,傲慢・妬み・嫉妬など愛と真逆の行為を繰り返す。そのたびに神の戒めと慈しみが人間に表されるが,人々はそれを理解せずに,神からの愛に対して裏切りを繰り返す。時が流れ,苛まれ虐げられるイスラエルの民は,イザヤ預言書に書かれている救い主を,武力によって属国からの解放を行ってくれる勇者の登場として,待ち望む。しかしながら救い主は,母にすべてを委ねなければ生きていけない幼子としての姿で現れる。救い主誕生の知らせを最初に聞くのは,当時身分の低い人として位置付けられていた羊飼いたちだ。

 

全学年の児童が,旧約聖書に書かれている救い主誕生の経緯を,朗々と語り伝えてくれる。児童の声は一つになり,ホール全体が一体となって,私たちに神の愛を伝えてくれた。一体となって,聖書を朗読するのは,かなり難易度の高いことだ。句読点の間の取り方,改行の間,絶妙なタイミングの群読が全学年の児童によって繰り広げられた。一時間に及ぶChristmasの集いは,朗読者・聖歌隊・場面を劇として表現する児童・ホールに響く参加者の澄んだ聖歌の声・高校生によるハンドベル・保護者によるAve Mariaの歌・映像の演出等,素晴らしく優れた演出によって,私たちの心を待降節へと導いてくれた。

 

【児童による共同祈願】

✚神様に見守られて生きていく中,私たちはたくさんの友達と共に,楽しい毎日を過ごすことが出来ています。そこで学んだことは感謝です。友だちにも家族にも神様にも,感謝の気持ちを持って過ごすことが出来ますように。

 

✚今もなお,世界では紛争で苦しんでいる人がいます。一日も早く平和な生活が出来ますように。私たちが出来る事を考え,行動する事が出来ますように。マザーテレサは,「世界平和は家族を大切にすることから始まる」とおっしゃいました。私たちが家族に感謝し,家族を大切にすることが出来ますように。

 

✚僕たち私たちは,待降節の間,周りの人たちに温かく幸せな気持ちを届けるために,あいさつ・お手伝い・ゆずりあい・親切をこころがけ,実践をツリーに結んできました。この気持が世界のみんな届き,心温かなクリスマスを迎えることが出来ますように。

 

✚今年は,豪雨や地震,大型台風などによって災害を受けた人が今も大変な生活をしておられます。私たちは災害に遭われた人々の為に,私たちに出来ることを実践しました。災害に遭われた方が一日も早く元の生活に戻れますように。

 

✚僕は家族が大好きです。先生や友だちも大好きです。もし大切な友達が悲しんでいたり,困っていたらとても心配だから,話を聞いて力になりたいと思います。人の気持ちを考えて優しい人間になれますように。

 

✚待降節が終わっても,お友だちを大切にし,優しくすることが出来ますように。

 

主よ,私たちの祈りを聞き入れてください。

 

学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫