優しい心を育むカトリック教育

2019/05/11

Flowering dogwood ハナミズキ

毎日通る瀟洒な家の庭に,一本の「花水木」が植えられている。堺へ来たころには,2mほどだった木も,今は見上げるほど高く大きく成長している。新学期が始まり,桜の花が散り若葉が芽を出すころ,このハナミズキに花が咲く。

 

 

実際は花ではないが,桜の様な形に見える花もどきが,木のそこここに現れる。しかし、その一つひとつに花弁が付いているわけではないそうだ。それは,白い4枚の花弁ではなく,葉が変形した総苞(そうほう)というものだそうだ。実際の花弁は,総苞よりも中央にあると,教えてもらった。

 

可憐で優しいその佇まいから,花言葉の「私の想いを受けとってください」という意味そのものが,感じられる花だ。毎年この木に,可憐な花が付くころに,一青窈の『ハナミズキ』を口ずさんでしまう。単に情景描写の歌や恋の歌ではないと,歌詞のメッセージを一人解釈して,受け取っている。

 

後の世に生きる君たちの時代は,災害がなく,戦争がなく,人災がない時代であって欲しいと,切に願う。そして,未来を生きる君たちは,平和であって欲しい。人が人を恨み,妬み,嫉むことがなく,誰もが穏やかな気持ちで過ごせる時代であって欲しい。

 

空を押し上げて 手を伸ばす君 五月のこと どうか来てほしい 水際まで来てほしい

つぼみをあげよう 庭のハナミズキ  薄紅色の可愛い君のね  

果てない夢がちゃんと 終わりますように  君と好きな人が 百年続きますように

 

夏は暑過ぎて 僕から気持ちは重すぎて  一緒に渡るには きっと船が沈んじゃう

どうぞゆきなさい お先にゆきなさい  僕の我慢がいつか実を結び

果てない波がちゃんと 止まりますように  君と好きな人が 百年続きますように

 

  ・・・・・・・

 

僕の我慢がいつか実を結び

果てない波がちゃんと 止まりますように  君と好きな人が 百年続きますように

君と好きな人が 百年続きますように

 

―万葉集「梅花の歌」―

『初春の令月にして、 気淑く 風和ぎ、 梅は鏡前の粉を披き、 蘭は珮後の香を薫す』令和

BEAUTIFUL HARMONY

 

学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫