優しい心を育むカトリック教育

2019/07/07

星に願いを

 

パパ  「天の川が,お空にあるよ。」
子ども 「そんな川なんかないよ,パパどこにあるの?」
パパ  「昔は空高くに,見えていたんだよ。」
子ども 「でも,やっぱりないよ。先生もないって言ってたよ。」
ママ  「違うでしょ。見えないでしょ。ないと,見えないは違うの!」

 

七夕の日,笹に願いの短冊をつるして,夜空の星を見上げたのはいつの頃だったのだろうか。今は夜空を見上げても,天の川を見つけられないようになった。子ども達の為に,天の川が見える空を取り戻したい。これが私たちの願いであり,実現へ向けて,真剣に取り組む課題ではないだろうか。七夕の夜空に天の川が見え,短冊にしたためる願いを考えられる,ROMANTICな時を取り戻したい。

 

七夕の習慣の始まりは江戸時代にさかのぼるが,『銀河草紙』には,さまざまな風習が紹介されている。 笹飾りと笹流し・七夕踊り・芋の葉の露を用いて墨をすり,書道をする・梶の葉や短冊に和歌をしたためるなどと記録されている。七夕の日には,星に捧げる和歌を詠んだり,詩を作ったりする風習があった。そんなROMANTICな光景が,毎年大阪の上六から北へ行った東側にあるお寺の門前で再現され,現在まで継続されていて,優雅な雰囲気にひたる事が出来る。

 

お寺の門前には,大きな笹と短冊が用意してあり,七夕の日には,大きな笹がつるされた短冊で撓み,地面に先が付くほどになる。住職曰く,「宗教や宗派を超えて,みんなが願いを託すのは良い事だ。」これは40年以上も前から始められた,都会の真ん中に継承されている光景だ。下校途中の生徒達や,幼い子を連れた母親が子どもと一緒に願い事を書いている,見ていてほのぼのすると同時に,日本古来の習わしは素敵な事だと感じられる気持ちの良い一コマである。

 

旧暦 7月7日の夜に,天の川(銀河系)の両岸に牽牛星(わし座のα星アルタイル)と織女星(おりひめ。こと座のα星ベガ)を見る事が出来る。日本では織女のことを「織り姫(おりひめ)」,牽牛のことを「彦星(ひこぼし)」と呼んでいる。しかし今の子どもたちには,ピノキオの映画の歌の方が身近に感じるかもしれない。

 

When You Wish Upon A Star - Cliff Edwards(1940)
The soundtrack for the Disney movie "Pinokio"

When you wish upon a star   Makes no difference who you are
Anything your heart desires   Will come to you
If your heart is in your dream   No request is too extreme
When you wish upon a star   As dreamers do
Fate is kind   She brings to those to love
The sweet fulfillment of   Their secret longing
Like a bolt out of the blue   Fate steps in and sees you through
When you wish upon a star   Your dreams come true

 

天の川

はくちょう座のある天頂付近から,南の地平線に向かって淡い雲のように天の川が流れている。特にさそり座といて座の間辺りの天の川は,他に比べて一層明るく光って見える。天の川の正体は,銀河系に属する沢山の星々である。
今晩,見えるかな・・・?

 

学校法人賢明学院 学院長 中原 道夫