優しい心を育むカトリック教育

2018/12/18

きかせてください

 

2年前にこのブログが始まった時に,学院中のクリスマスの飾りつけを紹介しながら,シリーズでクリスマスのことを書きました。

今年はあと1週間でクリスマスだと言うのに,ロウソク点灯式のあと触れていません。

写真は本館1階の飾りつけです。先生たちが創立記念日の研修の後で,毎年協力して飾ります。

 

吹奏楽部のクリスマス・コンサートに寄せた文章に次の一節があります。

「クリスマスほど音楽が似合う日はないかもしれません。羊飼いたちに救い主誕生を知らせる天使の歌声に始まり,『メサイア』のように大作曲家が作曲した曲,オーストリアの小さな教会において一晩で作られた『きよしこの夜(しずけき)』まで,イエス・キリスト誕生の喜びは美しい音楽で彩られています。」

 

今日はクリスマスを歌った曲を一つご紹介します。「きかせてください」という典礼聖歌です。

 

  きかせてください 羊飼いたちよ
  あなたたちが今 耳にしたことを
  きかせてください 羊飼いたちよ
  あなたたちが今 耳にしたことを
  お生まれになった みどりごが
  悲しむ人の 友であることを

  教えてください 羊飼いたちよ
  あなたたちが今 見たことを
  教えてください 羊飼いたちよ
  あなたたちが今 見たことを
  お生まれになった みどりごが
  こごえる心の 愛であることを

  歌ってください 羊飼いたちよ
  あなたたちの今日の 喜びを
  歌ってください 羊飼いたちよ
  あなたたちの今日の 喜びを
  お生まれになった みどりごが
  疲れた心の 平和であることを


  歌ってください 羊飼いたちよ
  あなたたちの今日の 喜びを

   詞:森一弘  曲:新垣壬敏

 

この曲は,私が信仰の上で大きな影響を受けている森司教様が作詞され,多くの典礼聖歌を作曲した新垣先生が曲を付けました。

一度聞くと心に残るメロディーであり,歌詞です。

生まれてきた「みどりご」が「悲しむ人の友」であり,「こごえる心の愛」であり,「疲れた心の平和」であることは,イエス・キリストの誕生をよく表していると思います。

しかし,最初のクリスマスの夜に,羊飼いたちに「きかせてください」と願った人はいなかったでしょう。

多くの人が無視する中で,曇りない目を持った羊飼いだけが「飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子」(ルカ2:12)を救い主として受け入れ,「神をあがめ賛美」(ルカ2:20)したのです。

ですから,「きかせてください」と願うのは私たち自身です。