優しい心を育むカトリック教育

2022/03/24

BULLETIN 3月号 感謝

三寒四温の言葉通り、ゆっくりと春を迎える季節となりました。学校の前庭も白梅が咲き、紅梅が咲き、今は堺ブランド桜「与謝野晶子」が咲いています。校門の桜も少しずつ蕾が膨らんできました。

すでにKENMEI infoでお知らせしたように、私はこの3月で校長を退任いたします。7年間校長を務めましたが、保護者の皆様からは様々なご支援をいただき、心から感謝いたします。至らぬ点も多々あったと思いますが、皆様の支えがあったからこそ重責を果たすことができました。

10年前に京都のカトリック女子校から賢明学院に赴任した時には、賢明も堺の街も私にとって未知のところでした。3年間の副校長時代に多くのことを学びました。特に共学校は初めての経験でしたから戸惑いもありました。変な話ですが、私が共学校へ来たんだなと実感したのは、同じトイレに生徒がいることでした。学校ではなくどこかの出先でのことだと思いますが、これは女子校では体験することがありませんでしたので強烈な印象が残っています。

賢明学院に来て多くの出会いがありました。生徒、保護者、先生、出入りの業者の方、賢明に来なければ会わない人ばかりです。また、賢明に来たからこそ経験できたことも沢山あります。中でも、海外へ行く体験は本当に貴重なものでした。フランス、スイス、イタリア、アメリカ、カナダ、オーストラリア、フィリピン、台湾の8ヶ国へ行く機会がありました。フランスは、創立者マリー・リヴィエの出身地です。高校2年生がそのゆかりの地を巡るフランス研修旅行は、高校生活の集大成です。モンプザ、チュエイなど賢明学院に来なければ絶対に行くことがない場所へ、生徒たちと共に「賢明学院のルーツを探る旅」へ出かけました。赴任初年度に3泊5日でそれらの地へ行ったことも忘れられません。語学のできない私が本隊を追いかけて一人でリヨンまで行きました。向こうで生徒たちに創立者の話をし、カトリック最大の巡礼地ルルドではミサのお世話をし、そして本隊と別れて一人で帰国しました。

アメリカのリヴィエ大学で行われた、全世界の聖母奉献修道会が創立した学校の代表が集まった「教育コングレ」に参加したこともあります。賢明学院が世界に姉妹校を持っていることを強く意識しました。世界の皆さんと交流できたことも貴重でした。先にも書きましたが、私は英語もろくにできませんが、コミュニケーションは取れるものです。別の機会に生徒たちとアメリカカナダの研修旅行に出かけました。自然の雄大さ、特にナイアガラ瀑布は圧倒されるスケールでした。これに匹敵するのはスイスのアルプスの感動でしょうか。

フィリピンにはいくつもの姉妹校があるダバオと、それとは別に英語研修を行ったセブへ行きました。ダバオの姉妹校は小学校から大学までありましたが、どこへ行っても大歓迎でした。中でも小学生は、祝福を受けようと私の手を取り自分のおでこにあてがいます。一緒に行った理事長のシスターが、きっとみんな先生のことを神父様と思って集まってくるのでしょうとおっしゃいました。

台湾には何度も行き、向こうの学校と交流しました。年によって学校は変わりましたが、その中で光仁高級中学とは交流が続いており何度か来日されましたし、来月もオンラインでつながる予定です。こうして振り返ると、賢明時代のアルバムには沢山の忘れ難い写真があります。一つひとつが今日の私を育ててくれました。やはり、感謝しかありません。

最後にもう一度、保護者の皆様本当にありがとうございました。