優しい心を育むカトリック教育

2017/06/24

中原中也

22,23日と2日間,山口へ出張していました。

初日は午後から研修が始まるので、少し早く山口に着き中原中也記念館へ行きました。

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中也の生家跡に建てられた記念館は,1994年に開館したそうですがモダンな建物でした。

中原中也は私が高校時代に一番愛読した詩人でした。

一番好きな詩は,人気のある「汚れちまつた悲しみに……」です。

 

汚れちまつた悲しみに

今日も小雪の降りかかる

汚れちまつた悲しみに

今日も風さえ吹きすぎる

 

汚れちまつた悲しみは

たとへば狐の革裘(かはごろも)

汚れちまつた悲しみは

小雪のかかつてちぢこまる

 

汚れちまつた悲しみは

なにのぞむなくねがふなく

汚れちまつた悲しみは

倦怠(けだい)のうちに死を夢ぬ

 

汚れちまつた悲しみに

いたいたしくも怖気づき

汚れちまつた悲しみに

なすところもなく日は暮れる……

 

中也が高齢まで生きていたなら,この詩を気恥ずかしく思うかもしれませんが,「青春」をこれほど見事に歌った詩はないでしょう。

今回,展示されている詩を読むと中也の独特のリズム感を,以前より強く感じました。

 

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研修会では3本の講演があったのですが,私にとって最も学びになったのは,イエズス会のデ・ルカ・レンゾ神父様の「聖フランシスコ・ザビエルの足跡」でした。

レンゾ師は長崎の「日本二十六聖人記念館」の館長を長く務めておられましたが,切支丹に対する造詣の深さに圧倒されました。

私も宗教科の教員としてそれなりの知識を持っているつもりでしたが,パワーポイントに次々と映し出される資料の多くは初めて見るものでした。

 

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研修の最後は,山口ザビエル記念聖堂でのミサでした。

以前の聖堂は1952年に建てられ,カトリック信者だった中也の祖父母も多額の献金をしたそうですが,1991年に全焼しました。

今の聖堂は1998年に完成,三角形に近い聖堂の姿は「神の幕屋」をイメージしています。

聖堂の内部は,斬新なデザインンのステンドグラスから降り注ぐ光が美しく,独特な祈りの空間でした。

 

今日は第1回の「中学入試説明会」が開かれます。

一人でも多くの方が来られることを祈っています。