優しい心を育むカトリック教育

2020/09/19

通信制課程前期終業式

 

今日は通信制課程の前期終業式がありました。それに先立って誕生月の祈りも行われました。

髙畠理事長が来てくださり,誕生日の意味についてお話をしてくださいました。通信制の生徒たちが髙畠理事長のお話を聴くのは初めてです。

「プレゼント」には「現在」という意味もある,今をどう生きるかを考えるのも誕生日の意味だと分かりやすい内容でした。

続いて終業式があり,私は式辞で次のような話をしました。

 

「今年は新型コロナウイルスの影響で,5月30日が最初のスクーリングでした。実は始業式はありませんでした。ハーベストの丘での交流会も7月16日にやっとできました。そして,1年次生の宿泊研修も今週の初めに実施と異例づくめのスタートでした。特に1年次生の人は,いつ学校へ行けるかと不安が大きかったかもしれません。

宿泊研修の初日,琵琶湖スカイアドベンチャーに私も行きました。最初は硬い表情で静かな雰囲気だった1年次生が,だんだん打ち解けていくのが分かりました。一日の終わり,宿舎ではトランプで盛り上がったと聞いています。私はいつも,賢明学院をみんなの居場所のある学校にしたいと話してきました。学校に来ると安心できる,また行きたいと思える学校にしたいと先生方は思っていますし,その努力をしています。でも,そんな学校を作るのは先生の力だけでは無理です。みんなも一緒になって,そんな学校にしていってほしいと心から願います。

さて,最近の大きな話題というとテニスの大坂なおみ選手が全米オープンに優勝したことです。それも1セット目を1-6で取られた後の大逆転勝利でした。その精神力の強さ,勝負強さは私たちに感動を与えました。それと共に話題になったのが,彼女が人種差別に抗議するために7枚のマスクを着けていたことです。

7枚のマスクには黒人に対する人種差別や警察の暴力による犠牲者の名前が記されていました。決勝戦のマスクにはタミル・ライスさんの名前が書かれていました。彼は2014年11月22日に公園でおもちゃのピストルを手に持って遊んでいたところ,駆け付けた警官がよく調べもせずに発砲して射殺されました。12歳でした。

ニュースで知っているかもしれませんが,優勝インタビューで7枚のマスクにどんなメッセージを込めましたかという質問に,あなたはどんなメッセージを受け取りましたかと彼女は問い返しました。この大坂選手の問いかけは私たちにも向けられています。私たちの社会には不条理なことが沢山あります。人種差別もそうですが,日本の社会でも差別は残っていますし,コロナ禍の中で弱い立場の人たちが切り捨てられていっています。その中で,勇気ある彼女の行動に私たちも勇気をもって答えていきたいです。人間が人間として尊ばれないことに対して,おかしいと感じたならばおかしいと言える勇気を一人ひとり持ちたいです。」

 

 

終業式の後で教室へ戻り,次は「ホームカミングデー」です。先輩たちが母校に帰ってきて,後輩たちに話をしてくれました。

二つの教室に分かれ,一つは3人の先輩が大学生活のことなどを話してくれました。

もう一つの教室では慶応大学へ進んだ先輩が,リモートで東京から話をしてくれました。受験勉強の仕方など具体的な内容です。

通信制課程は2週間後に後期が始まります。

校舎を歩くと全日制が受験へ向けての土曜講座をしていました。前にも書きましたが,「勉強の秋」です。