優しい心を育むカトリック教育

2017/03/06

高等学校全日制課程卒業証書授与式 式辞

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46期240名の皆さん,ご卒業おめでとうございます。

保護者の皆さまもお子様のご卒業,おめでとうございます。ここまで成長され賢明学院を巣立っていくお子様の姿をご覧になって感無量の想いではないでしょうか。

また,ご来賓として,霞ヶ丘自治会会長冨士松様,大学,専門学校,中学校の先生方,久保会長をはじめ奉献会役員の皆様,3年生2年生の理事の皆様、卒業生を送るこの喜びの場にご臨席賜り,心から感謝申し上げます。今後とも,ご指導ご鞭撻をお願い申し上げます。

さて,卒業生の皆さん、高校時代の一番の思い出と言えば,多くの人が高2のフランス研修旅行と高3の体育大会を挙げるのではないでしょうか。私もこの二つが印象に残っています。

体育大会での集団演技は毎年進化していると感じましたし,皆さんの演技は笑いあり,驚きの声あり,感動の拍手ありと心に残るものでした。あそこまで完成度を上げるには相当な練習をしたことでしょうが,それに見合う達成感充実感があったのではないですか。もう一度心からの拍手を送りたいと思います。

フランス研修旅行では印象的な場面がいくつもありました。この研修旅行は賢明学院のルーツを探る旅でもあり,創立者マリー・リヴィエゆかりの地を巡る行程は,本校に入学しなければ決して行くことはないものです。

旅の途中で私は何度か,「生徒が素晴らしい」と声をかけてもらいました。往きの飛行機でも卒業生のキャビンアテンダントがおられ,「共学になってどんな学校になっているかと思っていましたが,仲間のCAもほめていますよ」とおっしゃっていただきました。

マリー・リヴィエ生誕の地モンプザ,最初の修道院があったチュエイの街を歩いたことを昨日のことのように思い出します。ブール・サンデオールの姉妹校とも交流しました。私が感動したのは,皆さんが熱心にルーツの地を巡り,熱心に説明のお話を聞き,そして交流していたことです。

また,カトリック最大の巡礼地ルルドでは,ロザリオ大聖堂でミサを捧げました。夜はロウソク行列に参加しました。寒さで震えた人もいたでしょうが,寒さのことより,全世界の人たちと「アヴェ,アヴェ,アヴェ,マリア」と大合唱しながら,ロウソク行列したことをぜひ想い出にしてください。

先ほども言いましたように,この研修旅行は賢明学院高等学校に入学しなければ経験できなかったものです。では,皆さんは賢明学院というカトリック学校で何を学びましたか。

2週間前の卒業静修で人生は選択の連続と話しました。そして,大きな選択の根底にはその人の価値観,人生観,人間観があります。人生で何が大切なのか,自分がどんな人間になりたいのか,そのような大きな問いに対するヒントが賢明学院には沢山あったと思います。

イエス・キリストの生き方もその大きな道しるべです。私はイエスを,歴史上,人間の尊厳を最も深く理解し実感し,それに基づいて行動した人と紹介しました。私たちも人間の尊さは分っています。でも,足りません。イエスのように見捨てられた人であろうが,不必要だと思われている人であろうが,そこに人間の尊さを明確に感じることができるなら,きっとイエスに近付けます。創立者マリー・リヴィエがそうであったように。

今,世界が自分たちを守ることを第一に考える流れになっています。その中で,イエスの生き方に倣うことは難しいかもしれません。しかし,卒業感謝ミサで高畠神父様もお話しされたように,自分中心ではなく助けを必要としている人に自分が隣人になりに行く生き方をしてほしいと願います。相手の痛みにスプランクニゾマイ,腸(はらわた)がちぎれる思いを感じる人間になってほしいと願います。自分が損をすることがあってもそれを損とせず,喜んで相手のために自分を使う人間になってほしいと願います。

最後に昨日配布されたBULLETINに今日話した内容とは違う贈る言葉を書きました。そして,母校のことを知りたいのなら,時々学校のHPを覗いてほしいです。学校の様子,後輩の活躍ぶりを見てください。私も校長ブログを書いていますから,それを読めば懐かしく母校のことを振り返ることができるでしょう。

46期の皆さん,賢明学院の卒業生として誇りをもって巣立っていきなさい。

自分たちが「地の塩,世の光」であることを忘れずに日々過ごしなさい。

皆さんの人生が愛と希望に溢れ,充実した毎日となることを祈り願って,私の式辞といたします。