優しい心を育むカトリック教育

2017/03/07

高等学校通信制課程卒業証書授与式 式辞

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卒業生の皆さん,ご卒業おめでとうございます。

保護者の皆さまもお子様のご卒業,おめでとうございます。ここまで成長され賢明学院を巣立っていくお子様の姿をご覧になって感無量の想いではないでしょうか。

また,ご来賓として,霞ヶ丘自治会長冨士松様,久保会長をはじめ奉献会役員の皆様,リヴィエ会の佐川様,卒業生を送るこの喜びの場にご臨席賜り,心から感謝申し上げます。今後とも,ご指導ご鞭撻をお願い申し上げます。

さて,卒業生の皆さん、あなたたちは賢明学院高等学校通信制課程の最初の卒業生です。昨年4月に産声を上げた通信制は順調に生徒数も増え,当初の5倍20名の生徒数になりました。中には全日制課程で高校生活を続けるのが困難に感じ,通信制課程に来た人もいます。皆さんもそうかもしれません。でも,私は同じ苦しみや悲しみを経験したからこそ,通信制にはとても暖かく優しい雰囲気をいつも感じていました。

私は入学式でこんな話をしました。

「新入生の皆さん,皆さんは今日の賢明学院の入学式を迎えるまでに,いろんな思いを抱えながら生活してきたかもしれません。しかし,ここが皆さんの居場所のある学校になることを願っています。そして,今日は賢明学院で学ぶ喜び,幸せを感じるスタートの日だと言いたいです。」

どうでしょうか,3年生の皆さんもここに居場所を感じてもらえたのではないでしょうか。学ぶ喜び,幸せを感じてもらえたのではないかと思います。

私は通信制を始めて本当によかったと思ったことは,皆さんの表情がどんどん明るくなり,生き生きとした表情になっていったことです。そして,学年を超えて皆が仲良くなっていったことです。卒業生の3名はその中で最上級生として,お兄さん,お姉さんとしての働きをしてくれたと思っています。

この1年スクーリングなどの学習と共に,特別活動には様々な想い出があることでしょう。全員が揃うことは難しかったかもしれませんが,想い出を共有できる仲間がいたことはぜひ忘れないでほしいです。特に奄美大島の研修旅行に参加した人は,あのゆっくりとした時間の流れを心地よく感じたのではありませんか。本来,人間の生きるペースはあれでいいのです。生活に追われいっぱいいっぱいになった時に,慌てなくていいんだ,ゆっくりゆっくりと自分に言い聞かせてください。自分のペースで生きていけばいいんだと思ってください。

それから,皆さんは賢明学院というカトリック学校で何を学びましたか。私は,人生は選択の連続だと思います。そして,大きな選択の根底にはその人の価値観,人生観,人間観があります。人生で何が大切なのか,自分がどんな人間になりたいのか,そのような大きな問いに対するヒントが賢明学院には沢山あったと思います。

イエス・キリストの生き方もその大きな道しるべです。私はイエスを,歴史上,人間の尊厳を最も深く理解し実感し,それに基づいて行動した人と紹介したいです。私たちも人間の尊さは分っています。でも,足りません。イエスのように見捨てられた人であろうが,不必要だと思われている人であろうが,そこに人間の尊さを明確に感じることができるなら,きっとイエスに近付けます。創立者マリー・リヴィエがそうであったように。

今,世界が自分たちを守ることを第一に考える流れになっています。その中で,イエスの生き方に倣うことは難しいかもしれません。しかし,自分が損をすることがあってもそれを損とせず,喜んで相手のために自分を使う人間になってほしいと願います。

最後に皆さんに配布されたBULLETINに今日話した内容とは違う贈る言葉を書きました。それを読んでください。そして,母校のことを知りたいのなら,時々学校のHPを覗いてほしいです。通信制課程のHPもあります。学校の様子,後輩の活躍ぶりを見てください。私も校長ブログを書いていますから,それを読めば懐かしく母校のことを振り返ることができるでしょう。

卒業生の皆さん,賢明学院の卒業生として誇りをもって巣立っていきなさい。

自分たちが「地の塩,世の光」であることを忘れずに日々過ごしなさい。

皆さんの人生が愛と希望に溢れ,充実した毎日となることを祈り願って,私の式辞といたします。

 

1日に全日制課程の4日に通信制課程の卒業証書授与式が行われました。リアルタイムでブログに載せることはできませんでしたが,式辞を紹介しました。