優しい心を育むカトリック教育

2018/07/25

1学期終業式

1学期の終業式が今日行われました。例年,7月25日が終業式,8月25日が2学期始業式です。

今年は大雨で2日休校にした影響で,7月の予定が大きく変更になりました。

そのため家庭学習日も多くなりましたが,この暑さを考えるとよかったのかもしれません。

終業式の式辞では,次のような話をしました。

 

「今年は例年に増して猛暑の中,1学期の終業式を迎えました。毎日,熱中症で亡くなる人が出たとニュースで聞くと,早くこの暑さがましになってほしいと願います。週末からは少し気温が下がるそうですが,熱中症には十分注意してください。

さて,始業式では創立者マリー・リヴィエの言葉を紹介しました。それは『神と隣人への燃え立つ愛によって,輝く太陽になってください』という言葉です。今日は,この人は『輝く太陽』になったと感じた人のことをまず話したいと思います。

BULLETIN』でも取り上げましたが,6月9日に起こった新幹線殺傷事件で,2人の女性を襲った加害者にひとりで立ち向かい亡くなった梅田耕太郎さんのことです。私がこの事件を知った時,その場にいたら自分はどんな行動を取れただろうかと考えました。梅田さんと同じようにできたと自信をもって言うことはできません。きっとその場にいればパニックになって,他の人と同じように逃げまどったのではないかと言うのが正直なところです。乗客の中にも冷静になって考えると,数人の男性が加害者を取り押さえれば,梅田さんが亡くなることはなかったという思いを持つ人はいたでしょう。逃げてしまった自分を責めている人もいるかもしれません。

梅田さんを子どもの頃から知る人たちは,「耕太郎さんらしい」行動だと言っています。また,梅田さんがカトリック学校である栄光学園の出身で,イエズス会学校のモットーである“MEN FOR OTHERS,WITH OTHERS”の精神が根付いていたからだという報道もありました。イエス・キリストの「友のために自分の命を捨てること,これ以上に大きな愛はない」を実行した人だと言えます。

賢明学院も同じ精神で教育しています。自分が損をすることがあっても人のために働かないか,自分を後回しにして人のことを優先しないかという生き方を教えています。そうすることによって,私たちは「輝く太陽」となれるとマリー・リヴィエも考えていました。

そして,梅田さんの行動は『人生の土壇場で他者のために働けるか』という問いをを突き付けられた思いがします。命を捨てる行動までできなくても,自分が苦しい時大変な時に助けを必要としている人にどんな行動がとれるか考えてみてください。

最後に,昨年の1学期終業式に紹介して気に入っているモンゴルの諺をもう一度紹介します。『山が高いからといって引き返してはならない。行けば必ず越えられる』。私たちは高い山の麓に立って到底自分には越えられないと,登る前にあきらめてしまうことがあります。でも,特に高校3年生に言いたいです。チャレンジすることなく諦めてしまうのではなく,自分は必ず登り切れるという信念を持って臨んでほしいです。

2学期の始業式に全員の元気な顔を見られることを心から願って,終業式の式辞とします。」

 

 

放課後,1階の廊下に行列ができていました。何のために並んでいるのかと尋ねると,オーストラリア留学の申し込みだと言うのです。

イングリッシュラウンジを覗くと,国際交流部の先生たちが受付をしてくれています。

聞くと,20名以上の高校1年生が1年か3ヶ月の留学を申し込んだそうです。

終業式でもロータリークラブの交換留学生,1年間のドイツ留学から帰国した生徒と来月から1年間のアメリカ留学する生徒が挨拶しました。

ドイツから帰った生徒は,高校生の時にドイツへ留学できたことを本当に喜んでいました。

私には留学の経験が全くありませんから,少し羨望を感じます。