優しい心を育むカトリック教育

2018/08/25

2学期始業式

この暑さの中でもう夏休みが終わるのという気持ちもありますが,今日2学期の始業式を迎えました。

空調が整っているとは言え,亜熱帯の気候になってしまった日本の夏休みの期間も考え直さねばならないかもしれません。

先日も堺市で39.7℃を記録しました。

私の人生の中でも最高気温です。暑いとは思っていましたが,その気温を聞いて驚きました。

さて始業式,次のような話を生徒たちにしました。

 

「約1カ月の夏休みが終わりました。今年は酷暑の夏であり,まだその暑さが続くので休みも続いてほしいと思っている人もいるでしょう。皆さんの夏休みは充実していましたか。いい夏休みだったと言えますか。

今年の夏の一番の話題は高校野球でしょう。100回大会ということで大いに盛り上がり,甲子園球場へ応援に行った人もいるかもしれません。私は以前校長ブログに書きましたが,高校野球に余り関心がありません。しかし,今年は初めて開会式をテレビで見ました。それは100回大会だからと言うより,私が住んでいる滋賀県の代表近江高校の中尾主将が選手宣誓をしたからです。中尾主将は『第100回という記念すべき年に野球ができることに感謝し、多くの人々に笑顔と感動を与えられる最も熱い本気の夏にすることを誓います。』と宣誓しました。何百回と練習しただけあって,いい選手宣誓だったと思います。

1915年に始まった高校野球は戦争で大会が中止になったことがあり,今年100回大会を迎えました。野球は敵国のスポーツということで,グローブやバットを捨てろと言われたそうです。どのスポーツもそうですが,平和だからこそできるのです。この平和の尊さもスポーツを通して考えることができます。

さて,近江高校は準々決勝で金足農業に2ランスクイズでサヨナラ負けをしてしまいました。近江高校は2ランスクイズの守備練習をしたことがなかったそうですから,まさに意表を突く攻撃でした。そして,その金足農業は準優勝をし,2回目の春夏連覇を達成した大阪桐蔭よりも決勝戦後に話題にされることが多かったです。それは秋田の公立農業高校が,快進撃を続けたことに拍手を送る人が増えていったからでしょう。高校のスポーツの世界も日本中から選手を集めたり,時には世界から選手を集める時代になっています。それが地元の選手だけで試合することに,大きな共感があったのだと思います。

このことは1学期の終業式で紹介した『山が高いからといって引き返してはならない。行けば必ず越えられる』というモンゴルの諺にもつながります。賢明学院も全国から選手を集めているわけではありません。そう考えると,金足農業にできて賢明学院にできないことはありません。確かに大阪はどの競技を見てもレベルが高いです。でも,山が高いからといって引き返していてはよい結果は得られません。

では,何故金足農業は勝ち進むことができたのでしょうか。一つに自分たちの実力を知って,それを一番生かす練習をしたからです。金足の野球は時流に逆行した戦術と練習と言われましたが,具体的にはバント練習を熱心にしました。バントが高校野球の主流だった時代がありました。それが高校野球の基本だと言われた時代がありました。しかし,今は積極的な攻撃野球が主流になっています。それでも金足はバント練習を続けました。もちろん金足農業の快進撃は吉田投手という逸材がいたからでしょうが,これも自分たちの実力,状況を踏まえて作戦を考えたからこそ生かされたのです。

高校3年生の進学もこの現状の分析が大切です。今,どの教科,どの科目をしっかり勉強すべきか,先生のアドバイスをもらいながら作戦を練ってほしいです。そして,自分を信じることです。冷静な分析と自分を信じて努力を続けることです。このことはどの学年にとっても大切なポイントです。

さあ,2学期が始まります。2学期には秋麗祭と言う大きな行事もありますし,中学2年生は台湾研修旅行があります。それらも心に残る感動や思い出にあふれればと思います。どの場面もTHE BESTの精神で頑張り,賢明生らしさを出してほしいと心から願います。」

 

 

今日は賢明学院幼稚園の園庭で,「真夏の雪まつり 2018」が行われています。

涼を求めて沢山の来場者がありましたが,雪がどんどん解けていきます。

賢明の中高生もお手伝いに行きましたが,予想を上回る暑さの中,笑顔で働いてくれているでしょう。