優しい心を育むカトリック教育

2020/12/22

2学期終業式

本日,2学期終業式を放送で行いました。私は次のような話をしました。

振り返ってみれば2学期も新型コロナウイルスに翻弄された学期でした。2学期に延期を決めた体育大会も,1年で一番大きな盛り上がりを見せる秋麗祭も中止となりました。学校生活を彩る行事がなくなることは先生たちにとっても残念なことでしたが,皆さんにとってはやりたかったのにという悔しい思いだったでしょう。にもかかわらず,2学期最初皆さんが例年にも増して学習に集中している姿はうれしかったです。ある生徒が「勉強するしかないもん」と言った言葉が忘れられません。

学期が進み,創立記念日は記念ミサだけを2回に分けてする予定でした。しかし,これも感染拡大で急遽放送による祈りの集いに変更しました。でも,話を聴くだけではなくイポリト神父様の映像を流せないかと先生方が努力してくれて,本校で初めて各教室で映像を見ながらの祈りの集いができました。神父様のお話も心に響きました。故郷モザンビークの内戦の悲惨さを通して,平和の大切さや平和を生み出すために人を愛することの大切さを話されました。

2学期の最後,聖歌隊の中学1年生,自ら申し出てくれたキャスト,ソリスト,スタッフ,そして協力してくれるカトリック研究会,ESS,ハンドベル部,美術部,家庭科部のクラブ員で作り上げていくクリスマス・タブロー,例年と形を変えてでも実現できないかと検討してきました。最終的には断腸の思いで中止を決定しましたが,やはりカトリックの学校としてクリスマスのお祝いをしたいと,今日は終礼時に映像を通した祈りの時間を持つことになりました。また,今日KENMEI.infoで配信されるBULLETINに,クリスマスのお祝いについて書きましたのでぜひ読んでください。

こんな風に多くの行事が中止になった中で,高校2年生の九州研修旅行が実施できたのは本当に良かったと思っています。これもあと半月遅かったなら,また行先が九州でなければ中止になった可能性がありました。高校生活のハイライトである研修旅行,残念ながらフランスには行けませんでしたが,想い出深い5日間になったのではないでしょうか。

さて,今日はもう一つ話をしたいと早くから決めていたことがあります。それは,私の話やBULLETINで今までにも取り上げたことのあるNHKの「プロフェッショナル」という番組についてです。12月1日に「自分を拾う 夢を運ぶ」というタイトルで放送された,ゴミ収集員岳裕介さんを紹介した番組についてです。

コロナ禍の中で医療従事者と共に,私たちの生活を支える人たちへの感謝が言われてきましたが,ゴミ収集という仕事もその一つです。しかし,ゴミ収集員という仕事に憧れを持つ人は少ないでしょう。ところが,岳さんは自分の仕事に誇りを持ち,夢を持ち,単にゴミを集める以上の仕事をしています。横浜市で仕事する岳さんは深夜から仕事を始め,走ってゴミを回収します。ねぎらいの言葉をかける人もほとんどいないでしょう。でも,ゴミが散らかっていればそれも集めます。人が気持ちよいと感じるように仕事以上の仕事をしているのです。

私はその姿を美しいと思いました。皆さんの中にその姿に憧れてくれる人がいたならうれしいと思いました。ゴミ収集という仕事だけでなく,脚光を浴びなくても,自分が納得し,幸せを感じ,仕事に取り組む,そんな生き方を選ぶ人がいてくれたらと願いました。

さあ,明日から冬休み,クリスマス,お正月と楽しいことが続きますが,今年はいつもとは違う冬休みです。コロナ感染には充分に気を付けて,自粛するところは自粛して毎日を送りなさい。受験生は悔いのないように努力しなさい。そして,他学年の人も新しい年のいいスタートを切ってほしいです。3学期の始業式に一堂に会することは無理でも,全員が元気に登校することを心から願っています。

 

 

 

終礼時の「クリスマス祈りの集い」は映像を各教室で見る形で進められました。

本来ならば,タブローで読まれる英語の聖書が流れ,ペープサートのマリアやヨセフが登場しました。

20分足らずでしたが,ハンドベルの演奏もあり,制作に携わった皆さんに心から感謝したいです。

生徒たちも熱心に見入っていましたし,タブローに比べるとささやかな祈りの会でしたが,コロナ禍の中でクリスマスのお祝いができたことは本当にうれしかったです。

最後は一人ひとりに配られたクリスマスカードの裏に印刷された,「2020年4月25日に発表された教皇フランシスコの書簡に添えられたマリアへの祈り」を全員で唱えました。

 

 

祈りの集いが終わって,生徒たちには奉献会からのクリスマスプレゼントが渡されました。

今年はゴディバのチョコレートとカルメル修道会のクッキーという豪華版で,生徒たちも大喜びでした。